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こどもの日に登場 病気を除けてくれる存在「鍾馗さま」

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 5月5日は端午の節句。日本ではこどもの日とされ、祝日の一つとなっている。
 元々は中国で病気や災厄除けを祈願する行事だったものが、日本に伝わり、厄除けの菖蒲を飾ったり、よもぎなどの薬草を摘み、病気や災いをもたらす悪鬼を退治する行事となって定着していった。その後、武家が力を持つようになると、菖蒲が「武を尊ぶ」という意味の「尚武(しょうぶ)」という言葉と結び付けられ、江戸時代に男の子の成長を願う行事へと姿を変えていくことになる。

 そんなこどもの日には様々なものが飾られる。鎧兜の五月人形、空を泳ぐ鯉のぼり、そして「鍾馗さま」だ。鍾馗さまを端午の節句の飾りとして飾る習慣は、関東地方が中心である。鍾馗は長く、大きく広がる黒いひげを蓄え、大きく目をむいて刀を携えた姿をしている。格好は日本の着物ではなく、中国の官人の服を着ている。中国の神仙の一人とされる人物なのだ。

 鍾馗の伝説については諸説あるが、彼はもともと中国の唐の時代に実在した人物だったという。昔、唐の玄宗皇帝がマラリアで高熱を出して臥せってしまった。熱にうなされる皇帝は夢の中で、宮廷内で悪さをする子鬼たちが一人の大男に退治されていく様子を見る。皇帝が大男に正体を尋ねたところ、自分は終南県出身の鍾馗という人物であり、科挙に落第した事を恥じて自殺したが、高祖皇帝が自分の境遇を哀れんで手厚く葬ってくれたので、恩に報いるためにやって来たと答えたのである。そして、夢から覚めた皇帝は病気が治っている事に気づき、鍾馗の姿を邪気や病気の悪鬼除けとして飾るようになったという。

 その後、鍾馗の伝説は日本へ伝わった。平安時代の絵巻に登場していることから、当時から既に病気除けとして信仰されていた様子が窺える。そして、江戸時代末期には関東を中心に五月人形の一つとして飾るようになったり、近畿地方では魔除けのために鍾馗像を屋根に置くようになったという。

 現在、日本でも新型コロナウイルス感染症の流行が猛威を振るっており、こどもの日も緊急事態宣言の期間の中にある。だが、こんな時期だからこそ端午の節句に鍾馗さまを飾り、疫病退散を願ってみてはいかがだろうか。
(山口敏太郎)

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