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世界的に有名になったエイプリルフールのジョーク・ニュース「スパゲッティの木」

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画像はイメージです

 41日はエイプリル・フール。毎年この日は嘘を吐いてもいい日ということで、企業や新聞がジョークの企画を行ったりしている。今年は新型コロナウイルス感染症のこともあり、例年ほど規模は大きくならなかったが、それでもクスっと笑えるネタを公開していたようだ。
 さて、このエイプリル・フールのネタは時に発信側の意図を超えて大きな反響を呼んでしまい、多くの人がだまされてしまったり騒動が起きてしまったりすることが多い。中でも有名なものが「スパゲッティのなる木」だ。

 これは1957年にBBCの時事番組「パノラマ」の中で放送されたニュースで、「スイスのルガーノ湖近くでは名産の『スパゲッティ』が豊作を迎えた」というもの。暖冬に加え、害虫のスパゲッティゾウムシの駆除もうまくいって豊作となり、伝統の収穫祭ではパスタにふさわしい完璧な長さのスパゲッティが収穫できるよう、株の交配と系統を開発するための育成議論が行われた…というもの
 当然ながらこの「ニュース」はエイプリルフールのジョークだったのだが、ニュース番組でもっともらしく取り上げられてしまったため、放送時は本気にしてしまう人々が続出。当時はイギリス国内のテレビ普及率は44%ほどだったにもかかわらず、放送翌日には数百件もの問い合わせが寄せられたという。

 なお、このニュースはカメラマンのチャールズ・ド・イエーガーがオーストリアの学校で教師から「スパゲッティが木になると信じるほど愚かだ」という言葉を受けたのが印象深かったため、それをもとに今回のエイプリルフールのジョークを思いついたのだという。
 あくまでジョークに過ぎなかったにもかかわらず、多くの人が問い合わせしてしまったのには当時のイギリスではスパゲッティがそこまで一般的ではなかったことに由来するとみられている。1950年代のイギリスで知られたスパゲッティは缶詰になったトマトソースのスパゲッティであり、珍味だと受け止められていたらしい。

 問い合わせは放送の内容が真実かどうか確認するものだけでなく、「スパゲッティのなる木はどうやったら栽培できるのか」という育成方法や手に入れ方に関するものが多かったそうで、問い合わせを受けたBBCは「スパゲッティの小枝をトマトソースの缶に入れて、最高のスパゲッティができるように祈ってください」と答えたそうだ。
 なお、当時放送された「スパゲッティの木」のニュースは今でもYouTubeで見ることができるので、気になる人は検索してみてみてはいかがだろうか。

(山口敏太郎)
参考記事
http://hoaxes.org/archive/permalink/the_swiss_spaghetti_harvest

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