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LiLiCoオススメ「肉食シネマ」 山田孝之が演じる“普通のお父さん”『ステップ』

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提供:週刊実話

 お仕事お疲れ様です!

 今回は、久しぶりに邦画をご紹介したいと思います。読者の皆さんの中には、パパ以外に独身の方や、子供がいない夫婦の方もいることでしょう。今回の映画は、主人公と同じ立場でなくても、とても優しい気持ちになれる1本。そして、なんてったって私の大好きな山田孝之さんが主演します。

 山田さんといえば、2003年に『ドラゴンヘッド』でスクリーンに映し出された瞬間、“とんでもない天才が現れた”と確信した私ですが、間違っていなかった! ちょっぴり面白い役や怖い役、クセのある役など、なんでもこなせる山田さんが今回、シングルファザーを演じるのですが、葛藤はありつつも“普通のお父さん”を演じる彼も、やはり最高でした。先日、監督の飯塚健さんとお話する機会があり、「これから公開になる山田孝之主演の作品を見てほしい」と仰っていたのも納得。見終わった瞬間、紹介せずにはいられないほど気に入りました。

 妻の朋子を亡くした健一。そのことを直接的に描かない本作は、後に作品の中で流れる年月の間に形が変わっていって、とても印象的で違う意味を持つようになります。この“匂わせ”の演出が好き。詳しくは映画を見てのお楽しみですが、1歳半で母を亡くした娘の美紀がすくすくと育って、家庭でよくある壁にぶち当たったり、楽しい日々もあったりと、本当によくある日常が映し出されています。

 とにかく、物語に出てくる、とてもしっかりとした性格の美紀が可愛くて仕方ない。大きくなるにつれ演じる子役は違うのですが、みんな完璧に演じています。

 また、亡くなった朋子の両親と兄夫婦との関係も素敵で、健一の新しい出会いに、そっと背中を押したり、お互いを支え合いながら、それぞれの人生を歩む時間が、とてもいい。

 お父さんという立場は、残業や接待で帰りが遅くて、なかなかお子さんと馴染めないこともあることでしょう。ただ、仕事に追われるのは分かりますが、あまりそのせいにすると、大切なものを失ってしまう可能性もあるということを教えてくれます。仕事が忙しくて奥さんに子育てを任せすぎちゃってるアナタ、この作品を見て、自分のお子さんとのコミュニケーションの大切さを感じてほしい。

 私は、この2人と友達になりたい! たまにご飯を作ってあげたい! そう思いました。これは家族の話であって、命の話でもあります。私はまだ、子どもに恵まれていませんが、とても優しい気持ちになりました。

画像提供元:(c)2020映画『ステップ』製作委員会
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■ステップ
原作/重松清 監督・脚本・編集/飯塚健 出演/山田孝之、田中里念、白鳥玉季、中野翠咲、伊藤沙莉、川栄李奈、広末涼子、余貴美子、國村隼 配給/エイベックス・ピクチャーズ 2020年4月3日(金)より全国ロードショー。
■結婚3年目、30歳という若さで妻に先立たれた健一(山田孝之)。妻の両親が娘を引き取ろうと提案するが、男手一つで育てることを決める。妻との思い出のある家で、シングルファーザーとして子育てに奮闘。保育園から小学校卒業までの10年間、さまざまな壁にぶつかりながらも、前を向いてゆっくりと階段を上っていく。

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LiLiCo:映画コメンテーター。ストックホルム出身、スウェーデン人の父と日本人の母を持つ。18歳で来日、1989年から芸能活動をスタート。TBS「大様のブランチ」「水曜プレミア」、CX「ノンストップ」などにレギュラー出演。ほかにもラジオ、トークショー、声優などマルチに活躍中。

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