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〈企業・経済深層レポート〉購入者の過半数はシルバー世代! キャンピングカー第2次ブームが到来

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提供:週刊実話

 1990年前後にブームが起きたキャンピングカーの人気が再燃している。キャンピングカー普及促進に向けて成立された日本RV協会によれば、キャンピングカーの国内総保有台数は11万2500台を突破(2019年7月)し、15年前の5万台(’05年)から倍増している。総売上額も424億6975万円(’17年)となり、過去最高額を記録している。現在は“第2次キャンピングカーブーム”が到来しているのだ。

「第1次ブーム時のキャンピングカーの購入者は、90年代に50代だった団塊世代が中心で、“脱都会”という流れからブームが起きた。対して第2次ブームは、第一線を退いた65歳以上のシルバー世代が中心です」(日本RV協会関係者)

 実際、日本RV協会の「キャンピングカー白書2018年版」によると、キャンピングカーのユーザー年齢は、60代が40.8%と最も多く、70代以上を含めると全体の過半数を占めている。

 シルバー世代がキャンピングカーを購入する理由はどこにあるのか。

「子育てが一段落し、時間的、経済的な余裕が出てきた中で、余暇を楽しむシルバー世代が急増しているのです。釣りやキャンプといったアウトドア、観光地めぐりなどを気楽に楽しみたい。キャンピングカーなら、鉄道や飛行機のチケット予約などの面倒な手続きは一切いらず、好きなときに好きな場所に出掛けることが可能です。しかも、宿泊は車内、風呂は日帰り温泉で済むため、旅費を大いに節約できるのです」(レジャー雑誌記者)

 さらに、第1次ブームでは高額だったキャンピングカーも、今は安価になっている。

 キャピングカーは、トレーラー形式のようにクルマでけん引するものもあれば、既製品の車をベースとして改造(コンバージョン)し、宿泊に必要な装備を追加したタイプもある。

 トラックを改造した「キャブコン」タイプは600万円以上、ハイエースやキャラバンなどのバンベースの「バンコン」タイプは400万円以上と気軽に手を出せる価格ではなかったが、最近は軽自動車をベースとした安価なキャンピングカーが登場している。

「軽自動車をベースにしたキャピングカーであれば、総額300万円以下に抑えられる。しかも、税金も安い」(同)

 軽自動車だとスペース的に狭く、キャンピングカーとして機能しないように感じるが、キャンピングカー改造業者は「全く問題ない」と断言する。

「夫婦や恋人同士の2人が寝るスペースは十分です。ゆっくり寝たければ車の屋根部分が持ち上がり、そこに寝るスペースができるポップアップルーフを取り付ければ、大人1人、子ども2人程度は寝られるスペースを確保できます。快適性という面では、車内を夏涼しく、冬温かく維持するため、車体に断熱板を組み込んだキャンピングカーもあります。軽自動車といえども、様々なオプションを付けることで快適なキャンピングカーライフを送ることができるのです」

 さらに自動車メーカー関係者が、軽自動車キャンピングカーのメリットを解説する。

「大型キャンピングカーは日常の街乗りには不便で、利用できません。その点、軽自動車のキャピングカーであれば、ごく普通に使える。最近は高速道走行も可能なスピードも出るし、多少狭い道路や勾配ある山道もパワー十分で小回りもきく。身体能力や判断能力が劣えてしまったシルバー世代にとっては、軽自動車であれば運転が楽というメリットもあります」(同)

 軽自動車のキャンピングカーは、シルバー世代にとっていいことづくめなのだ。

 最近、キャンピングカー人気は若者にも普及し始めているという。

「高速・大容量で通信ができる次世代ネットワーク『5世代移動通信システム(5G)』が今春から動き出したことで、場所を選ばずに働く『ノマドワーカー』の若者が増加しています。彼らのあいだでも、キャンピングカーが注目されています」(経営コンサルタント)

 若者のあいだで人気に火がつけば、第2次キャンピングカーブームはますます過熱することになりそうだ。

 一方で、キャンピングカーによるトラブルも増えている。

「道の駅、サービスエリアなどでは、車中泊NGの場所も多い。さらに、車中泊で長期滞在をする人も増えています。そのため、日本RV協会では『タイムズ24』と業務提携して、コインパーキングで車中泊が可能な方針を打ち出した。各地にキャンピングカーで宿泊可能なRVパークを増やす方針です」(同)

 ブームが終焉しないためにも、マナーの周知が必要そうだ。

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