「2000年から14年ごろまでは15万〜30万トンほどあった総水揚げ量が、19年12月末時点で2.1万トン。われわれにとって死活問題ですよ」(漁業関係者)
事実、イカ不漁の影響で、すでに全国からイカ漁業者の撤退が相次いでいるという。
「山形県では中型のイカ釣り漁船3隻が廃業。石川県でも10年前に20隻あったイカ釣り漁船が13隻に減少しています。イカが入荷しない日が何日も続いたために、イカを加工する会社も仕事にならない。加工業者の廃業も相次いでいます」(漁業情報サービスセンター関係者)
なぜ、ここまでイカ不漁になったのか。
「原因は'16年ごろから急増した、北朝鮮の漁船による違法操業です。北朝鮮は沿岸での漁業権を中国に売り渡してしまったために、新たな漁場を求めて日本の排他的経済水域(EEZ)内まで遠征してイカを乱獲しているのです」(同・関係者)
さらに19年からは、同水域内で中国の大型イカ釣り漁船による違法操業も急増しているという。
「石川県能登半島沖約300キロにある好漁場の“大和堆”西側では、数百隻の中国漁船がスルメイカを乱獲している現場が目撃されています」(同)
ただ、水産庁は北朝鮮の漁船には退去命令を出すが、中国漁船には甘いという。
「昨年12月初旬に、島根沖の排他的経済水域内で中国籍のイカ釣り漁船が拿捕されただけ。後は見て見ぬ振りをしていますよ」(同)
新型コロナウイルスによる感染症が問題になっても、北朝鮮や中国の漁船による違法操業は止まる気配がないという。
このまま、日本のイカ産業は滅びることになるのか…。