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巨人、OP戦最下位でも優勝が期待できるワケ 阪神をまくった12年前、今シーズンは状況が酷似?

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原辰徳監督

 データには「表」と「裏」がある。原巨人のオープン戦最下位が決定し、過去のデータから「2連覇ナシ」との声が出始めたが、果たしてそうだろうか。「連覇ナシ」の予想には、データに加えるべく、重要な要素が欠落している。

※               ※  
2015年  広島    4位
2016年  中日    6位
2017年  巨人    4位
2018年  阪神    6位
2019年  日本ハム  5位
※               ※   

 過去5年を遡ってみると、オープン戦最下位のチームは、ペナントレース本番でも下位に低迷している。2000年まで遡って調べてみたが、オープン戦最下位のチームがペナントレース本番でも最下位となる確率は50%。Bクラスとなる確率は90%。しかし、例外が2例だけあった。この10%の確率で例外となったのは、01年の近鉄と08年の巨人。両チームとも、「オープン戦最下位」から、ペナントレース優勝に躍進していた。
 「オープン戦は、調整の場。本来、代打を送る場面なのに送らず、若手にチャンスを与えたりしています。投手も決め球を隠したりするので」(スポーツ紙記者)

 若手にチャンスを与え、キャンプ中に学んだことをテストする場。それでもオープン戦で勝てないということは、「そのチームにプラス材料がない」とも判断できる。それが、「オープン戦最下位=90%の確率でBクラス低迷」の理由だろう。
 しかし、10%の例外もある。今季は、この例外中の例外が起こりうる可能性のほうが高いのだ。
 08年、巨人が10月8日についに首位に立ち、同時に「マジック2」が点灯。大逆転でペナントレースを制覇した。
 この年、何が起きたのか。阪神ファンにとっては忘れることのできない“黒歴史”があった。阪神は開幕5連勝の好スタートを切り、7月9日時点では2位チームに「最大」となる13ゲーム差を付け、同22日にマジックナンバーも点滅した。だが、その後は失速し、9月下旬からは巨人と僅差での首位争いとなり、チームを建て直すことができず、そのまま逆転優勝を許してしまったのだ。

 阪神がチームを建て直すことのできなかった理由、それは、「北京五輪・野球競技」だ。
 阪神は藤川球児、矢野輝弘(現・燿大)、新井貴浩の3選手を五輪に送ったが、故障を抱えていた新井が五輪で無理をして悪化。そのまま戦線を離脱してしまった。「4番抜き」の打線は当然、得点力がダウン。それに対し、当時の巨人は五輪に影響を受けない布陣だった。阿部慎之助、上原浩治の2枚看板を派遣していたが、チームの4番はラミレス、エースはグライシンガーで、クローザーはクルーン。チームの中核を外国人選手に託していた。各チームとも、五輪に主力選手を派遣したことで多少の戦力ダウンがあったが、同年の巨人は影響を受けなかったのである。ちなみに、この年の監督も同じ原監督だった。

 2020年の東京五輪は、08年北京大会以降、野球競技(追加種目)が復活する。今年の巨人を見てみると、4番は岡本和真、エースは菅野智之だが、クローザーを予定しているのはデラロサで、先発陣の鍵を握るのはサンチェスとメルセデスだ。打線のキーマンも新加入のパーラと目されている。08年とチーム状況は“酷似”している。「データの裏」、つまり、五輪という外部影響によって、勝負事は大きく変貌するのだ。

 原巨人が08年の五輪イヤーを再現させる可能性は高い。(スポーツライター・飯山満)

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