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プロ野球球団「経営破たん」選手感染なら公式戦中止へ

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提供:週刊実話

 新型コロナウイルスの感染拡大で、プロ野球の開幕が国難の岐路に立たされている。開幕を4月に延期しても感染者が出たら即ペナントレースは中止となり、経済も停滞。終息を待てば、球場使用料で経営破綻の球団が出る可能性も…。

 セ・パ12球団の中で最も深刻なのが、「緊急事態宣言」が出ている北海道を本拠地とする日本ハムだ。最初に新型コロナウイルスの感染が確認されたのは1月28日、武漢からの中国人旅行者だった。それが1、2月に開かれ、202万人が訪れた『さっぽろ雪まつり』で道内に広がり、函館、苫小牧、根室、旭川、中富良野、北見など、日本最大の101人(3月8日現在)の感染者が確認されている。

「症状が出ていない感染者が気付かないまま観戦に来て、1人でも新たな感染が確認されれば、政府はその後の全試合を取りやめ、札幌ドームの使用も禁止にする方針という。そうなれば、球界全体にパニックが及ぶのは必至。東京オリンピックへの影響を考えて、シーズン終了の可能性すらある。仮に再開したとしても、無観客試合は避けられない。経営破綻に追い込まれる球団や関連会社も出てくるだろう」(スポーツ紙デスク)

 日本野球機構(NPB)はすでにオープン戦72試合を無観客試合にして新型コロナの感染拡大に備えている。オープン戦は選手の調整の場であるため、公式戦より入場料が安く設定されており、基本的に採算を度外視している。しかし、公式戦での無観客試合となると、話は別。球団維持に直結するため実施は難しい。

 昨季、各球団の1試合の平均入場者は1万6000人(千葉ロッテ)から4万3000人(阪神)ほど。ホーム球場で開催するのが71試合か72試合。

 球団によって事情は異なるが、半数以上のチームは高額な使用料を支払っており、店子であるがゆえ、売店の売り上げ収益が入らないケースもある。

「毎年黒字を計上している巨人にしても、年間約30億円を東京ドームに支払っていると言われています。つまり、1試合につき4万2000人余りの入場料収入が入らなければ、巨額の赤字は避けられないのです。その点、球場の改修工事を全額負担することで年間使用料5000万円の賃貸契約を結んだ楽天、年間20億円あった使用料の横浜スタジアムの運営会社を株式公開買い付け(TOB)で買収し、子会社にしたDeNAのオーナーは経営センスがあったということでしょう」(広告代理店幹部)

 開幕へ向け、NPBは日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)と「新型コロナウイルス対策連絡会議」を設置。感染症に詳しい専門家を招き、新型コロナの感染拡大防止策が示されている。

 応援時の大きな声と呼吸が最も感染につながるとして、試合を開催する場合は、(1)応援歌や鳴り物の禁止(2)濃厚接触を避けるために席を前後1列おき、左右1席おきに“間引き”する案が提示され、通常スタイルでの開催は困難となった。

「プロ野球開幕戦のチケット販売は既に始まっており、前後左右とも1列おきへの変更は、全席払い戻し以上に混乱が起きるでしょう。とりわけ、外野席の私設応援団は“本気”のファンが多い。応援歌や鳴り物禁止には応じても、濃厚接触を避けるためとはいえ2メートル以上の間隔を開けるとなると…。いかに実施するか、運営・営業担当者とも相当頭を痛めているのが現状です」(在京球団職員)

 混乱に拍車をかけているのが、2月15、16日に大阪市都島区の「大阪京橋ライブハウスArc」で開催されたライブイベントだ。2日間で関係者や客が約250人参加し、約2週間後の29日に新型コロナの初感染者が発覚。3月6日までに大阪ばかりでなく京都、兵庫、奈良、熊本、高知、東京、栃木など13都道府県で39人と連鎖的に増え、家庭内感染など二次的感染も確認されている。ライブイベント参加者の1人が大阪市北区の別のライブハウスにも訪問していたことから感染が広がり、クラスター(集団感染)が連鎖したと見られている。

 このライブハウスからの感染拡大は、入場者の追跡調査で陽性を確認したものだが、これが3万人から4万人をも収容する野球場となった場合、観客の追跡は難しい。複数の球場で観戦するファンも多く、全員検査は事実上、不可能だ。

「NPBは入場前に観客全員の体温検査を検討しているが、政府はそれに加えて来場者の連絡先をチェックし、すべて記録に残すことも求めているらしい。チケット販売を身元が分かるクレジットカード決済のネット販売に限定する案も浮上しているが、プロ野球のオールドファンには馴染まない。東日本大震災時とは違い、誘客のプロモーションができないのも痛い。3・11以上の球界危機と言っていい」(巨人OBの野球解説者)

 新型コロナが拡大する3月3、4日、巨人は札幌ドームで日本ハムとオープン戦を戦った。滞在中、選手は外出禁止となり、ススキノに繰り出すのを自粛したものの、そのまま大阪、福岡へと長期遠征は続く。

 新型コロナウイルスの潜伏期間は2週間とされ、選手も含め、感染の可能性は今なお残っている。

「誰もが疑心暗鬼に陥っており、3月20日の開幕は絶望的」(同)

 NPBも「4月3日、または10日開幕」に目標を切り替えたが、選手に感染者が出たら相撲同様、公式戦は中止の運びになるだろう。

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