「ハクトウワシは全長80〜110センチで、翼を広げると2メートルを越える大型のワシです。日本で一番大きなワシともいわれる天然記念物のオオワシよりほんの少し小さく、同オジロワシ(全長70〜100センチ、翼開張180〜240センチ)より少し大型です。体色は褐色ですが、肩から頭にかけての部分が白くなっているのが大きな特徴となっています。オオワシやオジロワシと同様に海岸や川沿い、湖沼の近辺に生息し、主に魚類を捕食するほか水鳥や哺乳類、爬虫類、動物の死骸なども食べます。この点でもオオワシやオジロワシオも同じですから、オオワシやオジロワシとともにいる様子も確認されています」(鳥類ウオッチャー)
ハクトウワシを目撃したのは中学校の校長と中学2年生の2人で、授業の一環で向かった尾岱沼で木にとまっている様子を発見した。
「ハクトウワシは、2001年に北方領土の国後島で目撃されていますが、北海道では初です。アラスカに生息しており、そこから千島諸島を経由し飛来したのではないでしょうか。行動範囲は広く、迷鳥としてアイルランドでも発見されたことがありますからね」(同・ウオッチャー)
米国では、一時は乱獲、森林伐採による営巣地の減少、エサとなる魚の農薬による汚染やポリ塩化ビフェニル による汚染などによって分布地域が縮小し、個体数も激減したが、継続的な保護活動により現在では個体数が順調に回復している。
ひょっとしたら数が増えすぎ、過当競争を回避するため少しずつ北海道へ飛んでくるようになってくるかもしれない。そうなれば「タンチョウヅルツアー」「オオワシ・オジロワシツアー」に加え「ハクトウワシツアー」が盛況を博すかも。