「外部受注した問題の番組企画会社は、制作会社に制作費を支払っていなかったことから、出演者へのギャラも未払いになっていました。MXテレビのずさんなチェック体制や放送倫理が問われていますよ」(民放テレビ局関係者)
昨年9月に同局の情報番組『バラいろダンディ』を降板したお笑い芸人の島田洋七氏は「出演者や番組スタッフのギャラが未払いになっているとは聞いていましたが、まさか本当だったとはね。早く辞めてよかったです」と、驚きの言葉を口に。「担当部長が現場に来ては、毎回“苦しい、苦しい”とボヤいていた。僕が辞めたのも佐賀県を拠点にしているため、飛行機代とホテル代が払えなくなったからですよ」と語った。
広告代理店関係者は、「今回のMXテレビのトラブルは番組のスポンサー離れが背景にある」と指摘する。
MXテレビは2017年1月に情報番組『ニュース女子』で沖縄基地問題を放送。その中で米軍のヘリコプター着陸帯建設に反対する人たちをテロリスト呼ばわりしたことで、放送後、抗議が殺到した。BPO(放送倫理・番組向上機構)は同年12月に「重大な放送倫理違反があった」という内容の意見書を公表した。
「その後、『ニュース女子』は打ち切りになりました。そのトバッチリを受けたのが、田中みな実がMCを担当していた昼の情報番組『ひるキュン!』です。この番組はスタート当初からスポンサー獲得に苦戦していました。『ニュース女子』で信用を失墜させ、さらに、スポンサー探しは厳しくなり、昨年3月に終了しました。今回の『欲望の塊』の優勝賞品のランボルギーニは、企画会社に所有権が移転されないまま放送されていた。今後、詐欺事件に発展しかねません。局の存続さえ危ぶまれています」(業界関係者)
そんなさなかの1月24日、同番組担当の40代男性が福岡市内に止められた車の中で遺体で見つかった。「ご迷惑をお掛けしました」という趣旨の本人のメモらしきものが見つかったという状況から、自殺を図ったとみられている。
MXテレビの責任は重い。