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スポーツ界大混乱 IOCが再び強権発動か「東京五輪中止」

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提供:週刊実話

 現在、日本政府が最も恐れているのが、半年後に迫った東京五輪の中止だ。

 旧正月の大型連休「春節」期間中(1月24日〜2月2日)に中国人旅行者であふれかえっていた日本では、今後、パンデミック(爆発的な感染拡大)が起こっても不思議ではない。ピークは4月ごろと予想されているが、その時期には、すでに“五輪は始まっている”のである。

 山野美容芸術短大客員教授で医学博士(感染症学)の中原英臣氏が言う。

「各国の五輪の関係者は、開催の数カ月前から、準備のために日本に入る必要がありましょう。そうした中で、日本国内で新型肺炎が流行していたら、誰も来たがらず、開催に大きな支障をきたすことになります。もちろん、選手だって来日したがらない。前回のリオデジャネイロ五輪でも、ジカ熱が流行していたことから一部の選手は出場を見合わせています。東京五輪でも同様の事態が起きかねません。収束まで五輪開催を延期するというのは現実的ではないので、中止するか、別の国で開催する選択を迫られるかもしれません」

 実際、様々な競技において、中国で行われる予定だった五輪予選を兼ねる国際大会に影響が出始めている。

 2月に武漢で行われる予定だったボクシングの五輪アジア・オセアニア予選と、サッカー女子のアジア最終予選B組は、開催地をヨルダンのアンマンと豪州シドニーに変更。仏山(広東省)で予定されていたバスケットボール女子五輪最終予選も、セルビアのベオグラードに変更されているのだ。

「この時期は、予選やランキングポイントの高い大会が多く、欠場すれば五輪の切符争いから脱落する。とはいえ、アジアには医療体制が十分ではない小国が多く、選手への感染防止を最優先に、海外への派遣を見送るケースも多い。機会均等を保つことが難しくなるため、『いっそ東京五輪は中止にすべき』との声も、国際社会では出始めている」(スポーツ紙デスク)

 プロスポーツは、もっとシビアだ。米女子プロゴルフ協会(LPGA)は、中国・海南島で3月5日に開幕する予定だった「ブルーベイLPGA」の中止を発表。F-1中国GP(4月17日〜19日=上海インターナショナルサーキット)も開催が危ぶまれている。

「F-1を開催するには、マシンと観客の移動がある。中国便を規制しているブリティッシュエアラインなど各国の航空会社は、感染のピークとされる4月に運航するのだろうか。4月は、東京五輪のための航空券などを購入する最終的な手続きの時期。それまでに収束していなければ、世界中の観客たちは日本への渡航中止を決断するかもしれません」(大手広告代理店の関係者)

 儲けを最優先する現代の商業五輪では、プロ選手の参加を容認している競技も多いが、トップアスリートほど出場を断念しかねない。

「サッカーやバスケ、テニスといった人気競技に出場を予定している選手たちは、プロとして億単位の収入を得ているケースが多い。ワクチンのない感染症にかかるリスクを負ってまで、たいしてカネにならない五輪に参加するモチベーションはない。強行開催したところで、B級の選手しか集まらないでしょう」(同)

 こうなると、五輪中止や開催地の変更も現実味を帯びてくる。カギを握るのは、IOCのトーマス・バッハ会長だ。

「バッハ会長は、陸上競技団体や小池百合子都知事が猛反対したにもかかわらず、開催まで10カ月を切った段階で、マラソンと競歩の会場を東京から札幌に変更した“前科”がありますからね。莫大な利権の問題もありますから、中止ではなく、開催地の変更に舵を切る可能性は捨てきれない」(前出・スポーツ紙デスク)

 ただ、わずか半年で開催地の変更などできるのか。

「アジア以外の、比較的感染率の低い地域で、数大会前までさかのぼって開催実績のある都市に変更することは可能かもしれません。それなら競技場やホテルなどが残されているケースも多く、すぐにでも対応できるはずです」(同)

 日本にとってターニングポイントとなりそうなのが、3月1日に行われる東京マラソンだ。世界中のランナーが集まり、沿道には100万人の観衆が詰めかける。ここで、さらなる感染拡大が確認されようものならIOCは黙っていないだろう。

 前出の中原氏は、政府の対応の甘さを指摘する。

「帰国者を2人部屋に留め置くなんて、検疫の意味が分かっていない。指定感染症の施行も、『前倒しにした』といってもむしろ遅いぐらいです。現にウイルスが日本に入って来ているというのに、熱意を感じられない。経済への影響を考慮するのも分かるが、中国が大事か、五輪が大事か。今が分岐点なのです」

 現状、ワクチンや特効薬はなく、対策は正しい手洗いとマスク着用のみ。

「ワクチンの開発には数カ月を要する。安全性の確認も必要なので、流通するのは早くても年内ギリギリといったところではないでしょうか。そもそも日本は安全性のチェックが厳しいので、もっと遅れるかもしれません。今回の新型肺炎は、潜伏期間でも他人にうつるのが特徴。発症していない人もいるので、実は相当の人数が感染している可能性もあります。また、ヒトからヒトに感染していくうちに変異して、毒性が強まることも警戒しておかなければなりません」(同)

 実は、新型肺炎を恐れる人々がマスクを着用し、手洗いも実践したことや、暖冬で雨が多く、例年に比べて乾燥も弱いため、インフルエンザの流行が抑えられているというケガの功名も報じられているが、これからの時期は“盲点”もある。

「花粉症です。くしゃみや鼻水を防ぐためにマスクの着用率はさらに上がるはずですが、無意識に目をこすってしまうことで感染が広がる恐れがある」(医療ジャーナリスト)

 橋本聖子五輪相は「不安材料を払拭しなければいけない」と、五輪中止説の火消しに躍起だが、さらなる対策が急務だ。

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