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特選映画情報『ファンシー』〜“完脱ぎ”の新星女優・小西桜子の激しいカラミに刮目!

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提供:週刊実話

配給/日本出版販売 テアトル新宿ほかにて公開
監督/廣木正興
出演/永瀬正敏、窪田正孝、小西桜子、宇崎竜童、田口トモロヲほか

 ジム・ジャームッシュ監督の『パターソン』(16年)など国際俳優としても活躍する永瀬正敏は、デビュー時の『ションベン・ライダー』(83年)のころから目が離せない存在だった。中年の域となった現在でも油断ならない俳優として、独特のムードを醸し出している。

 今回はそんな彼の本領発揮、実に斬新で魅力的なアウトロー役だ。何しろ、元彫物師の郵便配達屋なのだから、そんなのいるのか? と思うけど、いるんだなあ、これが!

 とある地方の温泉街の郵便配達屋・鷹巣(永瀬正敏)は元彫物師だ。半ば日課となっているのが、町外れで隠遁生活をし、全国の若い女性に抜群の人気を誇る詩人“ペンギン”(窪田正孝)に多数のファンレターを届けること。ある日、詩人宅に熱烈ファンで“月夜の星”と名乗る若い美女(小西桜子)が現れ、押しかけ女房的に暮らし始める。そんな、奇妙な三角関係が生まれる一方、温泉街ではキナくさい動きが活発化してゆき…。

 元彫物師の郵便配達屋が醸し出す、誘うエロスと暴力、という打ち出しに適度な浮世離れ感を加えると、こういうブラックなファンタジーが成立するというわけだ。今回第1回作品となった廣田正興監督の演出センスは実に非凡で、今後が楽しみだ。原作は山本直樹の異色コミックス。だいたい、黒メガネ、ルーズなネクタイ、煙草をふかすラフな郵便配達員、という一見無理筋のキャラを成立させたのは、押しの強い廣木演出と、永瀬の雰囲気&面構えによるところ大。窪田正孝も負けじと“変人”ぶりを発揮するし、小西もかわいい顔して実は過激! 試写後に廣田監督と談笑したが、「この温泉街がアナザーワールドに見える」と伝えると「そこ、狙いでした」と答えてくれるからうれしいではないか。

 暴力描写も上等だが、濡れ場が手抜きナシなのもイイネ。永瀬と小西のカラミは濃厚一番で、小西は決意のフルヌードも披露する。彼女はこのあと『初恋』という主演作もあり、2020年注目の女優で、“脱ぐ覚悟あり”の新星として頼もしい。それにしても、永瀬扮する郵便屋の愛撫は中年のねちっこさを見せる。特に背中方面が念入りで、“背中フェチ”のケがある。これは元彫物師ゆえか? 「いい背中しているね。思わず彫りたくなる」とでも思いながら、舌を這わせているのかな、と思うとボクも“背中フェチ”なので、妙に納得してしまった。

 エロスと暴力、加えてダーク・ファンタジー。心をざわつかせる気鋭の新人監督と中年の星・永瀬の連携が素敵だ。
 《映画評論家・秋本鉄次》

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