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今季の球界は「世紀の大トレード」が起こる? 56年ぶりの五輪イヤー、“4番とエースの交換”の再現はあるか

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 東京五輪が与えるプロ野球界への影響は――。今季のペナントレースは昨年より9日も早い3月20日に開幕する。そのため、どの球団も実戦形式の練習を前倒しして、オープン戦に突入する。

 「サインプレーなどの実戦形式の練習を早めに行うということは、キャンプ序盤でやる個人練習の時間が減ってしまいます。バッターならティー打撃、ピッチャーであれば走り込みなどです。ひょっとしたら、シーズン成績が投打ともにレベルダウンし、エラーの多い一年になるかもしれません」(プロ野球解説者)

 前回、オリンピックの行われた1964年の記録を見てみると、パ・リーグ覇者の南海ホークスの年間失策数は144個。確かに多い。とは言え、当時のパ・リーグは全体的に守備難の傾向があり、全6チームが3ケタの失策数をカウントすることも珍しくなかった。しかし、東京五輪がペナントレースに影響を与えたのは本当のようだ。

 「64年の五輪は10月。五輪開催前に日本シリーズを終え、興行的に五輪の邪魔をしてはならないということで、ペナントレース全体が過密スケジュールとなりました。実際は日本シリーズと五輪が少し重なってしまい…。選手は過密スケジュールで、心身ともにボロボロ」

 当時現役だった年長のプロ野球解説者はそう答えている。

 「歴史は繰り返す」ならば、64年の優勝チームと似たチーム編成をしたところが2020年のペナントレースを制するのではないだろうか。ズバリ、64年の優勝チームはパ・リーグが南海、セ・リーグは阪神タイガースだ。

 五輪イヤーに南海、阪神がペナントレースを制した勝因を探ってみた。阪神においては、前年オフのトレードが考えられる。阪神は日本中をビックリさせる超大型トレードをまとめてみせた。大毎(現千葉ロッテ)との間で、“4番とエース”を交換したのである。当時、このトレードは「世紀のトレード」と称された。パ・リーグを代表するスラッガーだった山内一弘氏と、阪神のマウンドを守り続けた大投手・小山正明氏をトレードで交換し、その衝撃で日本中の野球ファンが阪神に関心を寄せ、それを勢いに変えたのだ。

 「当時の阪神は投手王国でした。小山氏が抜けても、村山実氏、バッキーさんなど他投手が大活躍されていました」(前出・プロ野球解説者)

 「トレード」が五輪イヤーのキーワードになるのなら、フリーエージェント補強と人的補償、金銭トレードなどで7人の選手を入れ換えた東北楽天と千葉ロッテがあてはまる。

 また、64年の日本シリーズは南海、阪神の間で争われたため、「御堂筋シリーズ」なんて呼ばれ方もした。「関西、大阪が強い」のならば、両リーグ覇者は阪神とオリックスになるのか? また、王貞治氏による「年間55本塁打」の日本記録(当時)が生まれたのも、五輪イヤーだった。令和2年の五輪イヤーに日本記録を塗り替えたバレンティンが王会長のいるソフトバンクに移籍したのは、単なる偶然だろうか。

 64年の阪神だが、ペナントレースの最後の3試合で逆転させての優勝だった。昨季も最後の6試合で連勝し、CS進出を決めた。五輪イヤーのキーワードが「波乱」なら、今季の矢野阪神が「御堂筋シリーズ」を再現してくれるかもしれない。(スポーツライター・飯山満)

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