「100万円では中国農村部の村役員だって買収できません。日本の衆議院議員も安く見られたものですが、中国による日本の国会議員工作は以前から行われていました。中国は周知のように政府と共産党の二重権力になっていますが、実際は共産党の一党独裁です。議員工作は中国共産党の外交を担う中央対外連絡部(中連部)という“モノを言わない組織”が行い、水面下の会合に顔を出してきます。例えば、防衛省の幹部と人民解放軍の幹部が非公式で会談を持つ場合、セッティングするのは中連部です」(中国ウオッチャー)
その中連部が将来の総理候補と目を付けた自民2世議員リストが、2015年から16年にかけて出回ったことがある。小渕優子(衆議=事実上の失脚)、中川俊直(元議員=失脚)、福田達夫、田野瀬太道、大野敬太郎、武部新、津島淳の各衆議院議員だ。
福田議員の父親である福田康夫・元首相は、歴代首相の中でも親中派の代表格といえる存在だ。小渕もしかり。中川の父、中川秀直・元自民党幹事長は、第1次安倍政権で安倍首相訪中の土台作りをした。田野議員の父、田野瀬良太郎・元自民党幹事長代行は、かつて中国共産党中央委員会の機関紙『人民日報』のニュースサイト『人民網』の取材を受け、「遠い親戚(民主主義の米国)より近くの他人(共産党独裁の中国)」と語って日中関係の重要性を強調した人だ。
「大野議員の父は、台湾生まれの大野功統・元防衛庁長官で台湾との縁が深い。敬太郎議員は2014年に訪台した際に、親中派の馬英九総統(当時)と会見していますが、この時に中川、津島、武部各議員も同行していました。津島議員は中国とパイプが太い自民党派閥・平成研の会長だった津島雄二・元厚生大臣の長男です。武部議員の父、武部勤は、小泉首相の靖国参拝で日中関係が冷えきったときに、自民党幹事長として訪中。中連部の王家瑞部長と会談しています」(政治ジャーナリスト)
中国共産党の“青田買い”に目を光らせる必要がありそうだ。