まだまだ全容の入り口といった感じのカジノ参入に対する“汚職”だが、表立っている案件とは別の、参入を企図する某総合エンタテインメント企業に、その障害となりかねない企業コンプライアンスとガバナンスが問われる事案が噴出した。証言するのは同社の内部事情に詳しいA氏だ。
「同社は京都などにリゾート施設を複数所有しています。社長が用もないのにプライベートジェット機で各地の施設に出向き、豪遊三昧しているのですが、会長の御曹司だから見て見ぬふりをするしかないのです」
トップがこうなのだから役員も右に倣えだ。橋下徹元大阪府知事とは大学時代からの友人で、弁護士でもある上席執行役員の某氏は、橋下府知事時代に民間人校長として府立高校に着任し、その後、松井一郎前知事が教育長に任用した人物だ。
ところがその後、目に余るパワハラ行為が明らかになり、辞職に追い込まれたが、そのわずか1カ月余りで、どういう関係からなのか、同社の役員に横滑りした。
「今も大阪時代と変わらないパワハラに泣いている社員は少なくない。しかも法務担当役員ですから同社のコンプライアンスはどうなっているのか」(A氏)
もう1人やっかいなのが、業務担当取締役だとA氏は指摘する。
「高級クラブで暴れたり、タクシー運転手とのトラブルは一度や二度ではありません」
そこで同社に3人の行状を質すと以下のような回答だった。
「プライベートジェット機や会社保有施設の使用につきましては、『ビジネス利用』など会社規定に沿って運用されており、常識の範囲内の利用と認識しています」
「法務担当役員につきましては、ご指摘のような社内におけるパワハラ行為などのトラブル発生の事実はございません。また業務担当役員につきましてもトラブルの事実はありません」
どこまで踏み込んで調査したか分からないが、想定内の回答だった。この種の“事件”は往々にしてひょんなことから表面化するものだが…。