2016年11月、ミニシアターから瞬く間に口コミで評判が広がり、約27億円の興行収入を記録して異例の大ヒットとなったアニメ映画『この世界の片隅に』。これに新規エピソードを追加した新作『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』が12月20日に公開され、早くも評判を呼んでいる。
「第2次世界大戦前後を舞台に、広島市から呉市に嫁いだ主人公のすずが、戦時中にもめげず、嫁ぎ先で工夫を凝らす日々を明るくシリアスに描いた前作。今回は、そこに遊郭で働く女性・リンとすずの友情、複雑な恋模様などを追加しました。前作の興行収入を上回るペースで、お客が入っています。すずの声を担当しているのんがいいんです。相変わらず変な力みがない」(映画ライター)
そして、年が明けると、オリンピックイヤー。聖火リレーが3月26日、東日本大震災の被災地・福島県のJヴィレッジをスタート。開会式の7月24日まで行われるが、そのトーチを持つ“聖火ランナー”の1人にのんが選ばれた。
「兵庫県出身ののんが岩手県で選出されたのは、もちろん、同県を舞台にしたNHK朝の連続テレビ小説『あまちゃん』(13年)でヒロインを務めたからです。ドラマ終了後も、さまざまな形で岩手県を応援してきました。『情けは他人の為ならず』ということわざがありますが、ここにきて、彼女のもとに大きく返って来ました」(芸能誌編集者)
15年4月、前所属事務所との間に独立騒動が勃発。
「この影響で、テレビ局や大手映画会社からのオファーが一気に減ってしまいました。騒動の大きな原因は、待遇面の改善。平たく言えば“お金”です。しかし、折り合いはつかず、1年後の6月に独立を強行。芸名も能年玲奈からのんに改めました。一見、“天然”に思える彼女ですが、本当は芯が強く、ブレない子なんです」(前出の芸能関係者)
それからしばらくは冬の時代となったが、件のアニメやバンド活動をしてジッと耐えた。
「“兆し”が見え始めたのは、NHKに出た夏ごろからでしょう。東京での舞台公演も成功して、テレビCMにも使われるようになった。さらに、アニメ映画も好評な上に聖火ランナーにも決定し、箔が付きました。女優“能年玲奈”として活動する日も近い」(芸能リポーター)
聖火は、まさしく“復活の狼煙”だ。