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山田千賀子社長逮捕 夢砕いた『てるみくらぶ』の根深い罪

 今年3月に経営破綻した格安旅行会社『てるみくらぶ』(東京・渋谷区)の債権者集会が去る11月6日に行われ、会場には取引先や顧客を含めた多数の債権者が押し寄せた。
 「8日には、三井住友銀行に虚偽の財務書類を提出して2億円を詐取した疑いで、同社の山田千賀子社長と元経理担当者の2人が警視庁に逮捕されました。資金の流れが不透明で、資産を隠している可能性もあります」(全国紙社会部記者)

 当時、予定されていたツアーが急遽中止となり、海外渡航中だったツアー客約2500人は航空券やホテルを自力で再手配。追加購入を余儀なくされる事態となった。
 「ハワイ挙式で親戚の渡航費まで支払いましたが、空港で航空券がキャンセルされていたことが発覚し、泣きながら帰宅しました」(20代女性)
 「卒業旅行でグアムに向かったところ、現地のホテルで倒産を知り、ホテル代金と帰国する航空券代金25万円を支払う羽目になりました」(20代男性)

 被害に遭った旅行客への弁済率は約1.1%とわずかで、仮に10万円の旅行代金を支払った場合、たった1100円しか還付されない。顧客や銀行から集めた金の行方もいまだに不明瞭な部分が多くある。
 「倒産理由は“粉飾”ですよ。銀行から借り入れをするために架空計上していたのです。2012年頃からの格安航空会社の台頭で、旅行業界では価格破壊が起きていました。特にここ数年で航空会社からのリベートが急激に減った。粉飾の手法として、航空会社からのリベートを悪用して売り上げを水増しすることが多いのです。さらに、売り上げを確保するために採算割れのツアーを販売するのはザラ。近年は訪日外国人旅行者の急増や為替の変動によって、格安航空券の大量仕入れができなくなっています。特に中堅以下の旅行会社は目玉となる格安航空券の仕入れが厳しく、旅行業者の淘汰が加速しています」(旅行代理店関係者)

 いずれにせよ、顧客や銀行を騙し、“夢”まで打ち砕いた山田社長の罪は重い。

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