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大阪駅通り魔事件、黒いワンピース姿に女装説浮上

 JR大阪駅で女性3人が切りつけられるなどした通り魔事件で、逃走した黒いワンピース姿の女に“女装説”が23日浮上した。大阪府警捜査1課は同一犯による犯行とみて、曽根崎署に捜査本部を設置。逃げた人物の行方を追っている。

 事件は22日午後1時半ごろ、大阪市北区のJR大阪駅の大阪環状線ホームで発生した。
 奈良県香芝市の女性会社役員(52)と大阪市大正区の女子大生(20)が何者かに次々と刃物で左腕を切りつけられ、軽傷を負った。さらにホームに向かうエスカレーターの踊り場でも兵庫県西宮市の女子大生(20)が左腕2カ所を刃物で突かれ、軽いけが。犯人は逃走したが、人物を特定するヒントが残された。
 駅ホームのカメラには、大阪市の女子大生が目撃した不審な女がばっちり写っていた。いずれの現場でも、不審な30〜40代ぐらいとみられる女が目撃されており、身長160cmで小太り、胸までの栗毛色の髪で、つばの広い黒い帽子に黒色のワンピース姿。白いショルダーバッグを持っていた。
 西宮市の女子大生は黒い帽子の女が隣を通り過ぎるのを目撃。ほかの被害者も事件前後に、近くで同じ格好の女を見たという。服装からして女性とみられるが、小太りで体格がよく、行動が大胆なうえ、肝心の人相が帽子に隠れて判然としない。ワンピース姿ならば女性だろうと思うのが自然。捜査をかく乱する目的があったとすれば、現段階では“女装”の可能性も否定できない。
 捜査本部はカメラの画像を解析するとともに、犯行状況を詳しく調査中。駅周辺のカメラの画像も分析するなどして人物の特定を急いでいる。
 23日までの調べで、大阪市の女子大生は背後から切りつけられたとみられることが新たに分かった。女子大生が大阪環状線ホームで内回り電車を待っている際、“女”が後ろからゆっくり歩いて接近。電車が駅に着いてこの女子大生が乗り込もうとすると、すぐ後ろに立って左腕を振りかざすようなしぐさをしているのがホームのカメラに。
 女子大生は直後に、左腕を切られていることに気付いた。一方、会社役員は西宮市の女子大生が襲われた直後、エスカレーターでホームに向かう際にバッグがぶつかるような感覚があり、その後出血に気付いている。
 会社役員の傷は長さ約6cm、大阪市の女子大生は約12cm。軽傷で済んだのはよかったが、東京・秋葉原の無差別殺傷事件から間もない日曜の犯行とあって、大阪にショックが広がっている。

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