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球界因縁のライバル(10) イチローVS松井(上)

 張本勲氏の日本記録、通算3085安打超えを達成して日本中を沸かせたマリナーズ・イチローは、次なる「メジャー史上初の9年連続200本安打」に挑む。一方のヤンキース・松井秀喜は契約切れの今季、ヒザの状態も完璧でなく、DHで悪戦苦闘している。イチローVS松井の宿命の日本人メジャーリーガー対決は、2度のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)が明暗を分ける分岐点になっている。

 バブルが弾ける前はFA長者という言葉があったが、イチローはWBC長者と言える。3年前の第1回大会の時は、王ジャパンの主役としてもてはやされ、奇跡の世界一でイメージチェンジに大成功している。
 「イチロー君が日の丸に対し、あれだけ熱い気持ちを抱いているとは、正直言って思わなかった。世界一になれたのはイチロー君のおかげだ」
 世界の王、日本代表・王貞治監督はイチローをこう絶賛した。「世界の王、王監督に恥をかかせるワケにはいかない」と高らかに宣言、有言実行したイチローに王監督は感謝感激したのだ。

 これまでマリナーズ内部でも「イチローは自分のことしか考えないヤツだ。いくらヒットを打っても、チームにはプラスにならない。チームの和を乱すアイツがいるからマリナーズは勝てない」と酷評され、シアトルの地元紙もイチロー放出報道を流したりした。いくらヒットを打とうと孤高の人。日本と違い、個人主義が認められているはずの米国でもイチローの評判は下落していた。日の丸を背負い、世界の王を胴上げすると宣言したニュー・イチロー像作りは、切迫した必要性があったのだ。結果は奇跡の世界一でイチローの計算通りに運んだ。ニュー・イチローはテレビの人気推理ドラマ「古畑任三郎」にも出演して好評を博した。「イチローは本当の天才だ。何をやらせても堂々としている。役者としても十分に通用する。野球を辞めたら、タレントで食える」。野球に興味のない主婦層までイチローファンに取り込んでしまった。
 今回の2度目のWBCも最後の最後の一振りで帳尻あわせをしてしまったのだから、役者が違うというしかないだろう。絶不調で「イチローのためのWBCではない。勝つためにスタメンから外せ」という声がネット裏から起こったが、宿敵・韓国との決勝戦で決勝タイムリーを放ち、結果オーライでイチローのためのWBCにしてしまったのだ。
 その後に胃潰瘍が発覚。「イチローも人間だったのだ。それだけ重圧を感じていたのだ」とファンから同情を集めた。アテネ五輪のアジア最終予選をトップ通過したのに、本戦前に脳梗塞で倒れた日本代表・長嶋茂雄監督。第1回WBCで世界一になりながらシーズン途中で胃がんになって戦線離脱した王監督。天下のONに続いて日の丸の重圧で病に倒れたイチローだが、転んでもタダでは起きない。故障者リスト(DL)入りして開幕は出遅れたが、その分、張本氏の3085安打超えは盛り上がったからだ。
 張本氏本人も渡米して「大アッパレ」と礼賛。「今度はピート・ローズのメジャー記録に挑戦しろ」とゲキを飛ばすなどイチロー狂騒曲は止まることを知らなかった。春先に弱いと定評があったのに、その後も順調に打ち続け、禍転じて福となしている。

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