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酒飲みも下戸も暴飲暴食に注意 肝臓をいたわる年末年始の過ごし方(1)

 解毒作用という重要な働きをする肝臓が弱ってしまうと、体全体が疲れ健康状態は最悪になる。
 肝機能が衰えると、当然ながら肝炎や肝硬変、脂肪肝、最悪の場合は、肝臓がんを招く恐れもある。普段からアルコールを飲み続け、寝不足や運動不足の諸兄は、年末年始のこの時期の暴飲暴食に注意が必要だ。そこで今回は、肝機能を守り弱った機能をいかに回復させるかを考えてみよう。

 胃も肝臓も弱っている時は、まず消化吸収のいい食事を最優先させる。とりわけ大事なのがタンパク質の補給だ。
 「例えば、豆腐、鶏の胸肉、白身魚などです。油は消化吸収に時間がかかるので、炒め物やフライなどの調理法は避ける。加えて、同じタンパク質でもタウリンが多く入った魚介類もおススメ。シジミ、アサリ、カキもいい。タウリンには肝機能の修復を高める作用もあり、疲労回復に効果的です。また、疲労した肝機能を回復させるには、アスリートの間で話題のアミノ酸、BCAAの補給も大事だと思います」(管理栄養士・林康子氏)

 運動時の筋肉の損傷の修復に効果のあるアミノ酸として知られるBCAAは、肝炎や肝硬変の治療のため基本の食事療法としても取り入れられているという。
 「壊死した肝細胞を再生させる“お手助け”をするんです。連日のようにお酒を飲み、多少なりともアルコール性障害が出ていると考えれば、肝臓組織が壊死と再生を繰り返しているわけで、BCAAを補給すれば肝細胞を活性化させると考えられます」(同)
 BCAAは体内で作ることができない。補給するにはサプリメントや飲料が便利だ。

 アルコールといえば、下戸なのに肝炎を患う人が周囲にいないだろうか。「非アルコール性脂肪肝炎(NASH)」という病だ。
 アルコールをほとんど口にしないのに罹患するこの病気。最悪の場合、肝硬変化から肝臓がんになる可能性があり、国内では100万人〜200万人の患者がいるとされている。
 「肝臓がんの原因には、B型肝炎が1割強、C型肝炎が6割ほど、残りの3割弱の中に、NASHが含まれていると推測されています」
 こう話すのは、総合内科クリニックを営む久富茂樹院長。

 肝臓がアルコール性肝炎に似た状態になるわけだが、原因は“栄養過多”にある。つまり、メタボ体型の延長線上にある病気といっても過言ではない。ただし、太っているから患うわけではない。
 BMI(体重kg÷身長m×身長m)の数値が25超なら要注意。30代以上の男性に圧倒的に多いが、50代以降の女性も多いといわれる。肝臓の数値を表すGOT、GPTがそれぞれ50を超え、γ-GPTが100超になると脂肪肝が進行している可能性がある。
 「健康診断の結果をもう一度、見てみましょう。確定診断のためには、血液検査、超音波検査、肝臓に針を刺し組織を取る検査(生研)を行い、NASHの病名が初めて確定します。一般の内科では検査体制がない場合もありますが、アルコールをほとんど飲まないのに肝臓の数値に問題があれば、他の病院で肝臓内科や消化器内科を受診して下さい」

 他の医療関係者によると、これまでの報告では、NASHの人の5〜20%が10年以内に肝硬変に進行すると見られている。特効薬や確立した治療法はないので、食事と運動で脂肪肝の状態を改善させることが中心となる。
 「肥満の改善が一番なので、体重を最低10%ぐらいは減らしてもらいます。食事は脂肪分を減らす。肝臓は余剰エネルギーを中性脂肪やグリコーゲンにして溜め込むので、吸収の早い空腹時の甘味飲料の一気飲みをしない。間食はやめ、食べる時間と食べない時間をはっきりとさせることが重要になります」(医療関係者)

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