search
とじる
トップ > スポーツ > 日本ハム・斎藤公式戦東京ドームデビューの波紋

日本ハム・斎藤公式戦東京ドームデビューの波紋

 5日、親会社の日本ハムの東京支社(東京・品川)で行われた念頭式典に出席した梨田昌孝監督が、注目発言。ゴールデンルーキー・斎藤佑樹の公式戦デビューに関して「素晴らしいルーキーを活用するのも監督の使命。東京でたぶん、先発するんじゃないか」と語ったのだ。

 開幕戦は3月25日から札幌ドームで西武との3連戦。その後に29日から東京ドームで主催するオリックスとの3連戦での先発を示唆したことになる。「ウチの先発で決まっているのは、ダルビッシュ、ケッペル、武田勝の3人だけ。4番手以降は空いているので、ぜひとも先発陣に入ってきて欲しい」。入団発表の時から斎藤にこうエールを送っていた梨田監督が、初めて公式戦のデビューXデーに関し、触れたのだから、注目されて当然だろう。

 これまで言っていた通り、先発4番手以降の立場からスタートさせるには、開幕2カード目のオリックス3連戦の先発は妥当とも言える。が、本拠地・札幌ドームのファンにしたら、「なぜ東京ドームでデビュー戦なのか」と、ブーイングしたくなるだろう。

 日本ハムのかつての本拠地・東京ドームだが、関係者が明かす経緯がある。「東京ドームの高い家賃を払えずに、札幌ドームに引っ越しして、大成功。すっかり札幌に定着した地元密着の球団になっているだけに、札幌のファンの怒りの声は当然だろう」と。

 人気だけなら「ミスタープロ野球・長嶋茂雄の再来」とまで言われるゴールデンルーキーの斎藤だけに、デビュー戦は本拠地・札幌ドームでというのは、球界の常識だろう。いくら日本ハムの主催試合とはいえ、高い球場使用料が払えずに、夜逃げ同然に後をしたかつての本拠地・東京ドームで斎藤をデビューさせる義理はない。
 「いや、日本ハム球団首脳とすれば、東京ドーム側に対して、『どうだ、日本ハムはこんなにお客さんを呼べるんだぞ』というところを見せつけたいのではないか。斎藤の公式戦デビューとなれば、巨人戦以上の話題になるし、札止め超満員は間違いないからね。しかも、不況の世の中になった今になって東京ドーム側は、スケジュールを埋めるのが大変で日本ハムを追い出した計り知れないダメージを嘆いている。日本ハムサイドでも『札幌ドームの使用料も思ったほど安くない。球団経営に響いている』という声が漏れている。斎藤の東京ドームでの公式戦デビューが本当ならば、裏に日本ハムと東京ドームの復縁話があるのでは…」

 こういううがった見方をする球界関係者もいる。確かに、全くあり得ない話ではない。日本ハム球団、東京ドーム双方の声は事実だからだ。いずれにしろ、大変なのは現場を預かる梨田監督だ。昨シーズンBクラスに転落しているだけに、今季は優勝を求められている。人気先行のゴールデンルーキー・斎藤の扱いは、正直言って頭が痛いだろう。

 東京ドームでの公式戦デビューを示唆しながら同時にこうも言っている。「(予告制度の)先発で使えば、その日は入るだろうが、いつ投げるかわからないのもいいかも」と、救援での起用法もほのめかしているのだ。

 平成の怪物と呼ばれた西武・松坂大輔(現レッドソックス)のルーキーイヤーがそうだった。松坂の先発の時には熱気にあふれ、球場は満員になる。が、それ以外の試合は反動もあってか閑古鳥が鳴く。リリーフならば、あらかじめ登板は決まらないから、斎藤見たさにファンは連日、球場に詰めかけるという計算だが、机上論で現実にはそうはいかない。この不況下でいつ投げるかわからないのに、毎試合きてくれるほどファンは甘くない。

 しかも、人気、実力を兼備していた松坂と違い、斎藤は人気先行でどれだけやれるか疑問符が付く。勝ち負けのハッキリする公式戦での賞味期限がいつまでもつか、日本ハム球団首脳、梨田監督も予測不可能だろう。それだけに、デビュー戦の成否はより重要になってくる。梨田監督が口にした東京ドームでの公式戦デビューに波紋が広がるのは避けられない。さて、現実にはどうなるのか。まずは沖縄・名護キャンプ、オープン戦で斎藤の実力度をじっくり鑑定するのが先決か。実力不足で嫌でもリリーフでしか使えないこともあるのだから。

関連記事


スポーツ→

 

特集

関連ニュース

ピックアップ

新着ニュース→

もっと見る→

スポーツ→

もっと見る→

注目タグ