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危険人物・田母神氏が儲ける商売人の一面

 危険人物を自認するお騒がせ男が動き出した。歴史認識に関して政府見解と異なる論文を発表して航空幕僚長を更迭され、防衛庁を退職した田母神俊雄氏(60)。二・二六事件が起きた2月26日には新著の出版会見を開き、衆院選出馬を匂わせた。昨暮れの国会証人喚問でも堂々と論陣を張り、テレビ出演など、マスコミにたびたび露出。各地から講演会のお呼びもかかっている。危険人物というより商売上手ぶりが浮き彫りになってきた。 新著「田母神塾」(双葉社)出版会見というより、さながら衆院選出馬についての記者会見だった。田母神氏も何を話すべきか心得ていて、きっちりリップサービスしてくれた。政党から要請があったかどうか質問されて、こう答えた。
 「3カ所から、ありました。わたしをクビにした自民党と2つの野党。野党は小さいところですけど」
 野党の党名は明かさず、出馬には言葉を濁したが、新党結成も匂わせた。その党名の仮称は田母神新党。「新党を作ってほしいという手紙やメールが、山のように届いている」と明かして、いかに支持者が多いか自慢するほど。全国紙の政治部記者が言う。
 「最近、これほどはっきり物を言う人物がいないだけに、そちらサイドの人が待ってましたとばかり、拍手喝さいしたのでしょう。出馬を打診した政党は衆院選がいつあってもおかしくないから、その人気を利用しようとしている。ま、ツバはつけておいて損はないぐらいの程度でしょう」
 しかし、当人は「リーダーになれないと、政治家として力を発揮できるかどうか」と言っていることから推測できるように、出馬は五分五分。というより、話題になることで本が売れると計算しているふしがある。

 テレビ局関係者がこう証言する。
 「やしきたかじんの番組では『わたしに言論の自由がないのはおかしい』といった趣旨の話をし、『太田光の私が総理大臣になったら…秘書田中。』(日本テレビ系)のスペシャル番組では、『危険人物の田母神です』と言ってのけているように、何を言えば受けるか、どんなリアクションがあるか分かってる。衆院選出馬を否定しなかったのも、マスコミが追っかけるからです」
 テレビでは、1月末に「クイズミリオネア」(フジテレビ系)にビートたけしの応援団の一員として、たけし軍団と行動を共にしている。そのため、冗談交じりにたけし軍団入りがささやかれたこともあった。
 ちなみに、「田母神塾」では、麻生首相の明るい人柄を評価。そのいっぽうで、当時航空幕僚長だった田母神氏の発言を「極めて不適切」と非難したことに、「麻生首相こそ、極めて不適切」とばっさり。軍事ヲタクで元防衛省トップだった石破農水大臣を「彼のような人間のことを、自衛隊員は今後は絶対に信用しないことでしょう」と断じている。元気この上ないのだが…。
 「すべては計算済み。商売人ということですよ」(前出・テレビ局関係者)
 防衛省の商売人といえば守屋武昌元事務次官が思い出されるが、あの男のようには後ろ指を差されない。ま、お好きにどうぞということで…。

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