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巨人・阿部流出か! 陰謀渦巻くFA補償のプロテクト攻防戦(1)

 今オフ、巨人のFA補強は“小粒なもの”に終わった。横浜DeNAから肩を叩かれた金城龍彦外野手、同じく、東京ヤクルトで働き場を失いつつあった相川亮二捕手。38歳、同い年の両ベテランを獲得しただけである。
 「左の代打層が薄く、右肘と右膝の手術で長野久義が開幕に間に合わない可能性もある。'14年シーズン、一時的とはいえ外野手が手薄になり、実績のある金城に興味を示したんです。相川を獲得した理由は阿部慎之助を一塁にコンバートしたことによるものですが、新人の小林誠司では体力的にまだまだフル出場は厳しいと判断したためでした」(スポーツ紙記者)

 「ならば、若手にチャンスを与えても…」の声もあるが、原辰徳監督が「欲しい!」と判断した以上、それに従うしかないだろう。
 「巨人は金子千尋を獲得するつもりで資金的にも準備を進めていました。その金子を背後から操る代理人が国内FAとポスティングシステムによる海外挑戦の両天秤作戦に出て、巨人は『アヤシイ』と撤退を決めました。金子獲得の軍資金の一部を、金城、相川に充てたわけです」(同)

 しかし、FA補強はリスクも伴う。獲得後、旧在籍球団が行使できる権利、人的補償だ。
 「阿部、高橋由伸、内海哲也らのベテランをヤクルトが狙っています」(関係者)

 NPB(日本野球機構)のフリーエージェント補強における規定では、権利行使した選手が『A』『B』『C』の三つに分けられる。『A』は旧在籍チームの年俸ベスト3、『B』は4〜10位、『C』は11位以下。同一年俸の場合は出場試合数が多い方が「順位が上」となる。CランクのFA選手を獲得した場合、獲得球団は旧在籍チームに対し、人的・金銭の補償が発生しない。人的補償が発生するのはAランクとBランクのFA選手を獲得したときで、旧在籍チームは提出された28人のプロテクト名簿以外の選手を誰でも選べる。FA選手を獲得した側のチームは「やっぱり、この選手は出せない。考え直してくれ」と“待った”を掛けることはできないのだ。
 「直近の例で言えば、昨年オフ、巨人は大竹寛を獲得した代償として、若手の一岡竜司を喪失しました。一岡が戦力になることは巨人もわかっていましたが、主力選手を優先すると、どうしても、28人のプロテクト名簿から若手が漏れてしまう。去年の広島の話をすると、大竹の慰留は“ポーズ”で、ハナから巨人の若手投手を一本釣りする作戦だったようです。つまり低年俸で活躍しそうな投手を獲った方が“お得”ということです」(ベテラン記者)

 東京ヤクルトは相川喪失にともない、人的補償を行使する。原監督もある程度は覚悟し、Bランクの相川を獲得したわけだが、状況が変わってきた。真中満新監督は“巨人の主力”を狙っているという。
 「28人のプロテクト名簿の作り方ですが、高額年俸の選手やベテランをあえて外す作戦もあるんです。『年俸が高すぎて、手が出せないだろう』と読んで」(同・ベテラン記者)

 とはいえ、FA補強の常連でもある巨人は、その作戦でしくじった経験もある。2005年、西武・豊田清の見返りで江藤智を、翌'06年も横浜・門倉健を獲得した際、工藤公康を一本釣りされた。
 「工藤を引き抜かれたのは衝撃的でした。『高額年俸のベテランだから』との作戦が裏目に出た典型です。その後、工藤は年齢的な衰えで活躍できませんでしたが、巨人フロントが受けたダメージは大きく、『門倉を獲得する意義があったのか!?』と嘆いていました」(球界関係者)

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