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来年度創設! 事務次官級ポストの「医務総監」は皆保険制度崩壊の序章か

 厚生労働省には、門外漢とも思える「麻薬取締部=マトリ」や、厚労技官の一つで医師免許を持つ医系技官と呼ばれる、ざっと250人の集団が存在する。
 「厚労技官には医系以外に事務系技官も存在します。人事院による国家公務員採用I種試験の試験区分である『理工』や『農学』の合格者から採用されますが、医系技官、獣医系技官、看護系技官は同試験を受けていない特別な存在です。つまり、大ざっぱに言って医・獣医・看護学の知識はあっても法律の素養はありません。また医学博士と言っても多くが“ペーパードクター”であり専門医でもない。ところが、この医系技官が診療報酬を決めているのです。要は医療の価格統制を行っているわけで、現場の医療スタッフは彼らの判断で決めた価格に従わざるを得ない。厚労省は医療分野でも全国一律ルールを作るやり方をしますが、これは患者の状況が1人1人違うという医療の現場とは合っておらず、齟齬(そご)が各所で起こっているのです」(医療ジャーナリスト)

 現況、医系技官の最高ポストは、医政局長、健康局長、大臣官房技術総括審議官や地方厚生局長だ。また、防衛省(衛生担当防衛参事官)や内閣府(食品安全委員会)などでも幹部ポストがあり、道府県の主管部長ポストも多くが医系技官の出向者で占められている。
 この医系官僚に事務次官級のポストの創設が検討されている。米国の公衆衛生部門のトップである「医務総監(サージョン・ジェネラル)」がモデルらしい。
 日本にも戦前の陸海軍に軍医のトップとして「軍医総監」が存在していた。有名なのは明治の文豪、森鴎外(本名・森林太郎)で、彼は医学者として陸軍の軍医総監も務めていた。

 戦後は医系技官のトップが旧厚生省の医務局長などに就き、日本の医療政策を取り仕切ってきた。今、日本の医療費は国家財政を押しつぶす規模で膨張し続けている。厚労省はその元凶を「国民皆保険制度」と考えているフシがあり、医務総監を言い出しっぺに“改悪”しようとの深謀遠慮あり、と見る向きもある。

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