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元川悦子のサッカー魔法陣

 FIFA(国際サッカー連盟)最新ランクが発表され、日本は31位から40位に大幅ダウンした。6月の南アW杯最終予選3連戦で1勝1分1敗と不甲斐ない結果に終わったのが響いた。豪州は29位から16位へ躍進。アジアの宿敵に完全に差をつけられた格好だ。

 ところが、南アでコンフェデ杯を視察してきた日本代表の岡田武史監督は「日本のサッカーがちょっとは通用するだろうという感触を持った」と楽観的な発言をしている。その根拠がどこにあるのか、実に疑問だ。
 今回のコンフェデ杯では伏兵・アメリカが欧州王者のスペインを撃破し、決勝でもブラジルをギリギリまで追い詰めた。イタリアがエジプトに破れる波乱も起き、世界トップとそれ以外の実力差がなくなった印象はあった。が、アジア王者のイラクは2分1敗の未勝利。日本が同大会に出場していたとしても、イラク以上の結果を残せる保証は全くないのだ。

 大躍進したアメリカはユース育成が盛ん。1997年U17世界選手権でMVPになり、00年シドニー五輪、02年日韓、06年ドイツの両W杯と主要大会を総なめにした主将のドノバンを筆頭に、国際経験豊かな選手が少なくない。欧州トップリーグでプレーする選手も多く、決勝で先制弾を叩き込んだFWデンプシーもイングランドのフラム所属。ブラジル戦に先発した11人中9人が欧州クラブでプレーしている。
 トルシエ元日本代表監督も「欧州でプレーする選手が増えれば増えるほど、その国は必ず飛躍する」と話していたが、アメリカはまさにそう。欧州で主力級の活躍を見せるのが中村俊輔(エスパニョール)と長谷部誠(ヴォルフスブルク)だけという日本の先を行っているのは間違いない。
 加えて、彼らは鋭いカウンターとフィニッシュを擁する。この力強さは日本にはないものだ。アジア相手ならボールも回せるが、強豪相手だと引いて守って一発を狙う戦い方も必要だろう。そんなサッカーをしてこなかった日本にサプライズが起こせるのか。岡田発言にどこまで信憑性があるかを早く知りたい。

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