search
とじる
トップ > トレンド > 三谷啓子の「マイクと声と私」第3回 〜アナウンススクール編〜

三谷啓子の「マイクと声と私」第3回 〜アナウンススクール編〜

 『エフエムたちかわ』の主な事業はFMラジオ放送、日本全国各地の物産品を販売しているアンテナショップ『ふるさと多摩てばこ』、私こと三谷啓子が校長を務めさせて頂いている『エフエムたちかわアナウンススクール』の3つ。「3本の矢」(かなりオーバーですが…)が上手にリンクして会社を盛り上げているのです。

 そこで今回は前述の私が校長を務めさせて頂いている『エフエムたちかわアナウンススクール』について綴っていきたいと思います。
 『〜アナウンススクール』は、毎週月曜日の18時30分から90分の授業を実施。10回を1期として開講しています。通ってくる生徒さんは毎回毎回、本当にいろいろなキャラクターが集まります(楽しいですよ!)。2月13日に修了した『〜アナウンススクール』第8期生の生徒さんも本当に様々な人たちが通ってきました(年齢、職業、受講動機、生徒さんの国籍等…)。そしていつもながら、あっという間の10回、3か月が終了したのです。
 『〜アナウンススクール』の講義内容は勿論、発声や発音の基礎から教えますが、テキスト以外の…いわゆる「生の教材」を使用して生徒さんに実践してもらうのが特徴です。
 「生の教材とは」…実際にラジオで使用(放送)したCM原稿やナレーション原稿、司会進行台本の事。特に今回の8期生に好評だったのが、食のレポートです。夕方、生徒さん各人の机上に“お菓子”を置いておくのです。教室に入ってきた生徒さんは「お菓子」の存在を確認。最初は「お菓子」を何の気なしに食べ「なんて美味しいの!」と、大喜び。

 ところがところが−−。
 私が机上のお菓子についてのレポートを授業の課題として与えるのです。「お菓子を食べてみた感想」「パッケージを見て各人が思った事」「お菓子の形」…全ては生徒さんの感性。とはいえ、“台本”が無い「生レポート」は生徒さんにとって至難の業なのです。これが何度か続くと机上にある「お菓子」を見るや否や、生徒さんの表情は硬化。瞬く間に「わー…今日もレポートがある〜」と“地獄のつぶやき”をし始めるのです。
 そうです。ただ美味しく食べるだけでは『〜アナウンススクール』で学んでいる意味がありません。生徒さんは用心深く「お菓子」を“観察”しながら口に運び…包み紙を調べ…それを終え、ようやく「お菓子」を呑み込むのです(ちょっと酷ですかね?)。
 その後は生徒さん各人のレポートに入ります。番組のシチュエーションは生徒さん各人にお任せ。ある生徒さんは「レポーター」に、又ある生徒さんは「お店の人」、又はある生徒さんは「お客さん」という設定になり「お菓子」のレポートを60秒でまとめるように私が指示をしていきます。
 この時、私が最も伝えたいのは「おいしいです」の一言だけで済ませないこと。「お菓子」の色、形、大きさ、味、香り…「お菓子」の美味しさは当然ですが、「お菓子」の裏側やその奥行きまで「全て」を言葉で表現する事だと思うのです。
 それを実現する為には日々、「言葉のトレーニング」が欠かせません。口にした物が、どれも美味しい食べ物であるとは限りません。自分の嫌いな物もあるはずです。たとえ自分の口に合わない食べ物であったとしても、「それを言葉や比喩を利用した表現で説明する」−−。それが「言葉の魅力的な使い方」になるのです。
 とても難しいことですが、表現の鍛錬にはもってこい。私は最も実践的な授業だと思っています。
 こんなドキドキの授業を続けながら、最終回に向かいます。尚、講義は5回目位から基本授業から最終回に向けての実践授業に変わっていきます。最終回の10回目は生徒さんが自由研究したレポートを発表。それを“番組”風に収録するのです。その“番組”作りに向け、細かい作業がスタートする、と云う訳です。

 『〜アナウンススクール』では毎回、卒業制作と称して、生徒さんによるトライアル番組(30分)作りにチャレンジします。
 生徒さんは3人一組でチームを作り、トライアル番組を放送できるよう、チームで課題を作り、それを克服(上手にレポート)出来るようにするのです。勿論、試行錯誤の連続。トライアル番組の「(番組)コンセプト」「(番組)テーマ」「トライアル(番組)の内容」「(番組の)時間配分」「(番組内に)登場する各人の担当」…はっきり言って、生徒さんは大変です。そしてトドメは授業最終日(10回目)。生徒さんは実際にスタジオに入って「トライアル番組」を収録するのです。
 生徒さんが実感する「緊張感」「マイクに向かう度胸」「自分の声が放送に乗る喜び」…全ては『エフエムたちかわアナウンススクール』でしか味わえないものばかり−−。
 そんな中、つい先日(2月13日)に第8期は修了。最終回(2月13日)に実施した『〜アナウンススクール』はFMラジオに放送出来るか、どうかの“恐ろしい授業(収録内容)”でした。前述の通り生徒さんは、3人一組でチームを結成。彼らの自由研究を授業最終回にスタジオで収録、要は後半5回の授業内で考えた研究結果を収録した訳ですが…。

 現時点(2月16日)では「番組として使えるかどうか」の編集作業を『エフエムたちかわ』の精鋭部隊たちが昼夜問わず行っております。
 例え、どんな結果(番組としての採用は困難)であっても第8期はそれぞれの個性が「番組収録」に発揮。かなり面白い研究結果になっておりました。
 これについてはまたいつか詳しく書きますね。「なぜ」って…?
 「番組収録」(授業最終回)の後、恒例の打ち上げで少し飲みすぎたため、これ以上ペンが進みません。
 今回はこの辺で失礼します。
(エフエムたちかわアナウンサー・ エフエムたちかわアナウンススクール校長)

関連記事


トレンド→

 

特集

関連ニュース

ピックアップ

新着ニュース→

もっと見る→

トレンド→

もっと見る→

注目タグ