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歩行者が待つことがない? なぜドイツでは信号機のない横断歩道でも9割の車が止まるのか

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 信号機のない横断歩道で車が止まってくれず、なかなか渡ることができなかったという経験を持つ人は多いだろう。しかし、歩行者が横断歩道の前に立った瞬間、信号機がなくても車が止まってくれる国があるようだ。

 ヨーロッパの中では周りの目を気にする気質のドイツ人は、よく日本人と似ていると言われる。しかし、ドイツでは日本とは違い、信号機のない横断歩道で待つことがないという。

 ドイツの信号機のない横断歩道で歩行者が待つことがないのは、ドイツには“法律が全て”という文化がある点が一つの理由だろう。ドイツでは何か困ったことやトラブルがあると、まず法律を調べ、法律にしたがって対処する。日本と同様、ドイツにも信号機のない横断歩道で待っている歩行者を見たら停止しなければならない交通ルールがあり、ドイツの場合、違反すると、状況により80〜120ユーロ(約9770〜1万4600円)の罰金に加え、違反点数1点が科せられるのだ。

 ちなみにドイツも、日本と同じく違反点数制度を取り入れている。ドイツの場合、4〜7点を科されると点数に応じた交通セミナーに出席する義務があり、8点以上になると免許取り消し処分となる。しかしドイツ人の場合、罰金を払うのが嫌というより、法律を破ることに嫌悪感を示す人が多いようだ。

 「止まらなかった車を見たら、ナンバーを覚えて警察に通報する人も珍しくはないんです。それほどまでに法律やルールへの意識は高いですね」(ドイツ在住日本人)

 また、ドイツでは時間に追われる人が少ないということも車が止まってくれる理由の一つだろう。意外にもドイツ人は時間にルーズだ。電車やバスが遅延することは日常茶飯事で、待ち合わせに10分以上遅刻することもほとんど。時間と心に余裕があるようで、運転中に起こる、少しの渋滞や遅れで焦る人は少ない。

 「仕事の始業時間は守りますが、それ以外はルーズ。少しのことではせかせかしないので、車を運転している時、信号機のない横断歩道で歩行者を見たら、止まる余裕があるのだと思います」(前出・同)

 さらに、ドイツでは車が止まることが“当たり前の親切”だと思っている人がほとんどだという点も大きいだろう。ドイツでは横断歩道の前で車が止まらない方が珍しく、運転手は歩行者のために車を止める。歩行者も車が止まってくれることに慣れているため、申し訳なさそうに横断歩道を渡ることはないし、運転手がゆっくりと渡る歩行者にイライラすることもほぼない。

 「ドイツでは9割以上の車が信号機のない横断歩道で止まってくれる印象です。ちなみに、横断歩道がない場所でも、渡ろうとしている歩行者を見れば、大通りでない限りだいたいの車が止まってくれます」(前出・同)

 ドイツの横断歩道は歩行者にとって快適なようだ。

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