また、前作の映画『STRONG WORLD』のBD/DVDも大ヒット中の『ONE PIECE』と共に、同じジャンプ連載漫画『トリコ』が、来年春に3D映画として同時上映されることも、巻頭で発表された。
しかし多くの読者は思う。ジャンプのイベントでの短編アニメ化や、今回のような映画はあるのに、なぜ『トリコ』は「テレビアニメ」にならないのだろうか?
◆ゴールデンかニチアサ向けの明るいバトル漫画 なぜ後輩が先にアニメ化?
『トリコ』は島袋光年さんの漫画作品で、単行本は現在11巻まで発売されている。主人公である「美食屋」のトリコは、ゲーム『モンスターハンター』の様に危険な場所に潜入し、現地の猛獣との激闘の末に「スペシャルな料理の食材」になりうる超レアな肉や果実を収穫する。さらに「グルメ」という観点から世界征服を狙う悪の組織も出現し、彼らとの戦闘も激化していく。
作風は全体的に明るく、筋肉ムキムキのトリコの姿は『ジョジョの奇妙な冒険』や『北斗の拳』、『ドラゴンボール』といった古き良き80年代ジャンプ漫画を髣髴とさせる。レアな食材を求めるスリリングな冒険と、ストレートな熱血バトルのおかげで、年齢層を問わず高い人気を集めている。人気投票でも常に上位をキープしていることが雑誌での掲載順位からわかるし、単行本売り上げも絶好調だ。
しかしなぜか『トリコ』はテレビアニメにならない。アニメとしては今回映画化も決定したし、過去にジャンプが主催するイベント会場でオリジナルアニメが公開されたこともあったのだが、作品の認知度や人気、単行本売り上げを高めるのに最適であろう「テレビアニメ化」だけがされないのだ。
『トリコ』より後に連載開始した『バクマン。』も、既に夕方の時間帯でアニメ放映が始まった。他のジャンプ漫画で言っても『ぬらりひょんの孫』は深夜帯の放送で人気を博したし、『ONE PIECE』と『ドラゴンボール改』が子供たちをテレビに釘付けにしている、日曜日朝、という時間帯でも良い筈だ。
◆前作『たけし!』での作者「しまぶー」の愛されぶり
『トリコ』では殆んど無くなったが、前作『世紀末リーダー伝たけし!』では、作者の「しまぶー」(島袋さん本人)が作中に登場する機会が多かった。バトルの比率が多いシリアスな『トリコ』に比べ、ハイテンションなギャグを連発する『たけし!』ならではの作者登場だと言えるが、キャラとしての「しまぶー」の人気も非常に高く、一度キャラクター人気投票で一位を獲得してしまったほどだ。
他にも島袋さんは『ONE PIECE』の作者・尾田栄一郎さんと非常に仲が良かったり、『アイシールド21』の作画担当・村田雄介さんの、漫画創りの秘訣を漫画家に聞くインタビュー漫画でも、誠心誠意対応している。自作の単行本おまけページでのファンサービスも忘れない。
作品も大人気で、作者も人当たりの良い人格者。それなのになぜ『トリコ』はテレビアニメ化しないのだろうか?(小山内)
【参照】非モテタイムズ
http://himo2.jp/