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中日・落合監督3度目の正直で殿堂入りの今後は?

 14日、東京ドーム内にある野球体育博物館で平成23年の野球殿堂入りが発表された。競技者表彰のプレーヤー部門で、昨年まで2年連続1票届かず落選の中日・落合博満監督(57)が、ようやく当選、喜びを爆発させた。

 日本プロ野球史上唯一の三冠王3度という大偉業を達成している落合監督だが、野球殿堂入りプレーヤー部門はプロ野球担当15年以上の経験がある記者投票だけに、オレ流のマスコミへの無愛想な対応が影響。史上初めて一昨年、昨年と2年連続当選数までわずか1票足らずに落選していた。が、昨シーズンは1年間通して試合後のコメントをするなどひょう変。マスコミとの関係が改善されており、票の伸びにつながったといえる。

 当選に必要な247票を30票も上回る277票を獲得した落合監督は、会見の初めこそ無関心を装って見せた。「ユニホームきている間は無縁だと思っていた。ユニホームを脱いでからいつかもらえればいいと思っていた。ユニホームを着てもらうのはうれしいような、早すぎたのかなと両方思える。(表彰式のある)ナゴヤドームのオールスターで指揮を執らなければいけないし、背広で表彰されたかったという思いもある。楽しみは取っておいた方がいいし」
 こう語っていたオレ流の落合監督だが、すぐに歓喜の本音が飛び出した。「野球界からもらえる賞はみんなもらった。正力賞ももらったし、最後の賞だ」「これからも野球界のために、ひと肌でもふた肌でも脱ぎたい」などと言い出し、その喜びぶりは半端ではなかった。隙あらば落合降ろしをと画策しようとしている多くの中日OBにしたら地団駄を踏む思いだろう。
 しかも、ユニホーム着ての殿堂入りは、1965年の巨人・川上哲治監督、南海・鶴岡一人監督以来という快挙だ。この年は巨人のV9の始まりの年であり、日本シリーズで戦った相手が南海という因縁まである。日本球界にV9という金字塔を打ち立てた川上氏と、元祖親分と呼ばれた鶴岡氏という大監督と並ぶユニホームを着た殿堂入り監督。2年間の屈辱に耐えた落合監督にすれば、笑いが止まらない3度目の正直だろう。

 今季は中日球団史上初のリーグ連覇を目標にしている落合監督には、新年早々の念願の野球殿堂入りは、これ以上ない、幸先の良いスタートだし、ノリノリでキャンプインできる。ライバルの巨人・原辰徳監督は6位の109票だけに、その差は歴然としている。殿堂入り監督という最高の勲章を手にして、原監督を見下ろし、リーグ連覇、さらには4年ぶりの日本一奪回で初の悲願の「完全優勝」を目指すことになる。V奪回を目指す巨人にとっては、殿堂入り監督の勲章は一大脅威になる。
 「今年は本当の意味の日本一を成し遂げてくれると思っています」。ゲストとして祝辞を述べた、中日のOBの中では数少ない落合擁護派の前中日OB会会長の杉下茂氏からもこう太鼓判を押され、落合監督にとっては最良の1日になった。

 さらに、予期せぬオマケまであった。(1)現役を引退した監督、コーチ、審判で引退後6か月以上経過した人(2)現役引退後21年以上経過した人が対象になるエキスパート部門は、元南海ホークスの故・皆川睦雄氏が選ばれたのだ。現役通算221勝で歴代15位。68年に31勝をマーク、それ以来、30勝投手は出ておらず、最後の30勝投手の勲章を持っている。
 この皆川氏が山形県出身者としては初めての殿堂入りを果たしたのだ。落合監督は言うまでもなく、秋田県の出身。東北出身コンビが殿堂入りとなったのだ。プロ、アマを問わず球界に貢献した人物を選ぶ特別表彰が93年以来、18年ぶりに該当者なしだっただけに、なおさら競技者表彰の東北コンビが目立つ結果になった。

 何から何まで落合監督にとっては、光り輝く3度目の正直の殿堂入り劇。中日生え抜きの立浪和義氏の監督誕生を待望する中日OB、3年契約が切れる今季もV逸すれば、進退問題が浮上しかねない巨人・原監督とすれば、殿堂入りで落合監督が運を使い果たすことを祈るしかないだろう。

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