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リベンジ狙う森田健作氏 勝算は?

 「完全無所属、一人で正々堂々と戦いたい。再び敗れれば、もう二度と政治にはかかわらない」。俳優森田健作氏(59)が、3月の千葉県知事選への立候補を表明した。前回、2005年の同知事選で、約6000票の僅差で敗れた現職の堂本暁子知事にリベンジを挑むことになる。堂本知事の3選出馬が確実視され、自民、民主両党に共産党も独自候補を模索しているといわれ、にわかに激戦の様相を呈してきた。“千葉県民くらし満足度日本一宣言”とうたい、不退転の決意で臨む森田氏のリベンジはかなうのか。

 「落ちたあくる日です」
 きのう26日、千葉市内のホテルで行われた記者会見。出馬をいつ決意したかと問われて、森田氏はそう即答した。早くからウワサされながら表明しなかったのは、タイミングを図っていたのか。
 昨年12月には事実上の出馬決起集会を千葉市内で開いている。その著書「ゼロの勇気」の出版記念パーティーには約2000人が出席。「もう一度、出てください」「口コミで応援する」などと立候補を促す声が相次ぎ、そのトリを務めたのが友人のタレント、浅香光代。
 「今回、森田が泣くようなことがあったら、私が承知しないから」と満場の支持者を鼓舞した。永田町関係者が言う。
 「本当に本を売りたいなら、マスコミがはるかに多く集まる東京でやる。それを千葉で開いたのは、県民にアピールしたかったから。『落選後も千葉のことを勉強している。(千葉への)思いは変わらない』と言っている。ここで、出馬表明しなかったのは森田流のパフォーマンス。ステップを踏んでということ。今回の出馬表明はスケジュールどおりと見ていいだろう」

 すでに参院議員と衆院議員の経験があり、前回の千葉県知事選出馬の前には埼玉県知事選にも意欲を示したことがある。タレントというより、すでに政治家。
 政治の世界の裏も表も知り尽くしている森田氏だけに、勝算あっての記者会見だったともいえるのではないか。
 前回は自民党千葉県連が支持した程度の草の根選挙。出遅れもあり惨敗が予想されながら、ふたを開けてみればわずか6000票差の惜敗。最終盤に石原慎太郎東京都知事の応援が入ったことがプラスしたといわれたが、青春の巨匠のブランドが、まだまだ通用することを証明した。
 今回は今のところではあるが、政党の支援も受けなければ市民グループのバックアップもない。
 「麻生政権の凋落(ちょうらく)ぶりは見てのとおり。自民党の応援がウワサされるだけで、マイナスになる。それに新東京銀行や築地市場移転でミソをつけている石原都知事もかつての勢いはない。森田サイドは、そのあたりは計算済み。無所属であることを強調するのは無党派層を狙っているからです」(前出・永田町関係者)
 すでに終盤戦を迎えている千葉県知事選。自民党は候補者選びが難航、民主党が擁立に傾いたことのある関西大学教授、白石真澄氏を推すともいわれている。地元紙記者の分析。
 「自民党と民主党がよほどのタマを用意できない限り、堂本知事と森田氏の一騎打ちと見ていい。鍵を握るのは、千葉都民といわれる無党派層の判断。堂本知事は3選目だけに清新さはない。森田氏には払拭しようとしても自民党の影がついて回り、マニフェストはこれからのようですが政策にこれといった目新しさはない。千葉県民にとっては不毛の選択ともなりかねない。情勢は、まだ五分五分でしょう」
 59歳、還暦目前の万年青年が見事、一本取れるかどうか。選挙戦はもうまもなくスタートする。

○森田氏が掲げた施策
 森田氏が掲げた“千葉・日本一”への施策は次の通り。
◆移動交番の全県配備◆アクアラインの通行料を800円に値下げ◆成田空港ー羽田空港にリニアモーターカー◆中学までの医療費無料化など、7項目。また、東国原宮崎県知事の観光PR策を評価。「できる限りマスコミを利用。より多くの人に千葉県の観光資源をPRしたい」。橋下大阪府知事は「硬直しがちな環境の中で、果敢に戦っている点は評価したい」。著名人、芸能人の応援については「一人で正々堂々戦いたい」と言うだけで、あるともないとも明言しなかった。なお、マニュフェストは後日、発表する予定。

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