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亀田大毅が“疑惑”の世界タイトルマッチを強行へ

 ボクシングの亀田ジムは11月10日、12・7大阪府立体育会館での「亀田祭り」で、WBA世界スーパーフライ級1位の亀田兄弟の次男・大毅(22=亀田)が、同級王者のテーパリット・ゴーキャットジム(22=タイ)に挑戦することを発表した。

 この世界タイトルマッチには、とにかく疑問が多い。WBA同級の正規王者は8・31日本武道館で王座を奪取した清水智信(30=金子)で、ゴーキャットジムは暫定王者だった。ところが、ウクライナでの先のWBA総会で、右眼か底骨折のため、現在、防衛戦を行えない清水を“休養王者”とし、ゴーキャットジムを“正規王者”に格上げしたのだ。清水陣営では、この措置をWBAからもJBC(日本ボクシングコミッション)からも報告を受けていないというから驚きだ。

 本来、暫定王座は正規王者が負傷等の正当な理由で、しばらく防衛戦が行えない場合にのみ認定されるもの。当然、正規王者が復帰した際には暫定王者との統一戦が義務付けられる。ところが、WBAはルールを逸脱して暫定王座を乱造したため、JBCは2月に国内でのWBA暫定王座戦を認めない決断を下した。

 亀田陣営は大毅と“暫定王者”ゴーキャットジムとの世界戦をプランしてきたが、暫定のままではJBCが世界タイトルマッチとして認可しない。そこで飛び出したのが、ゴーキャットジムの正規王者格上げというウルトラCだ。

 ここには、亀田陣営とWBAとの密接な関係が見え隠れするのだ。スポーツライターのA氏は、「世界戦をやるにはWBAに承認料を払わなければなりません。WBAはその承認料ほしさに暫定王座を乱造しているわけです。承認料は定額ではなく、ファイトマネーに比例して支払われるようです。日本人ボクサーのなかではファイトマネーが高い亀田兄弟は、WBAにとっては“恰好のお客様”であるわけです。そう考えたくはないのですが、今回の件は亀田陣営がWBAに働きかけをした結果だということも全面否定はできません」と語る。

 事実上、2人の正規王者が存在する異常事態。こんななかで、王座を奪取したところで、大毅は堂々と“世界チャンピオン”として胸を張れるだろうか。それこそ、“疑惑の2階級制覇”といわれかねない。大毅が王座を獲った場合、来春に予定される清水の復帰時に、実質正規王者同士の統一戦を行って勝たなければ、真の正規王者とは認めがたいだろう。
(落合一郎)

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