search
とじる
トップ > 社会 > 話題沸騰の問題作『「若者奴隷」時代』 の著者、山野車輪氏にインタビュー(後編)

話題沸騰の問題作『「若者奴隷」時代』 の著者、山野車輪氏にインタビュー(後編)

話題を呼んでいる問題作『「若者奴隷」時代』(晋遊舎)。著書である山野車輪氏のインタビュー後編。今回は今まであまり知ることのなかった人間“山野車輪”に迫る。


 Q.今回の『「若者奴隷」時代』、また『嫌韓流』シリーズなども多くの知識を必要とするものですが、実際どのように調べているのですか?

 A.疑問が出たら、それに関する活字の本を、とにかく、ひたすら読みます。読んでいけば概要はわかってきます。その概要が本当に正しいかどうかの裏付けを取る作業に入ります。公的機関の資料を探したり、行政などに電話して問い合わせます。それを元にシナリオを組み、その後は担当編集者とひたすらディスカッションして、煮詰めていきます。これの繰り返しです。例えば、大卒初任給に占める国民年金保険料支払額の比率は、編集に突っ込まれて、大学新卒の賃金のデータを探し出して、その割合を計算をしてみたり。


 Q.調べることは、そもそも好きなのですか?

 A.私、オタクなんで(笑)。マンガ、アニメ大好きだったんです。その気質が若い頃に醸成されているんだと思います。小学生の頃から古本屋巡りとかしていました。オタクの物事を追求する精神やスキルを今使っているということですね。


 Q.文章ではなく、マンガで表現するということで注意していることはありますか?

 A .文字数をできるだけ少なくしつつ、必要・重要な情報がわかりやすく伝わるようにしています。ギリギリまでシンプルにまとめることに関しては、本当に苦心しています。今回は、「世代間格差」と「高齢者」をキーワードに書きましたが、読んだ人それぞれが自分なりの見解を持つようになれば良いと思っております。


 Q.『「若者奴隷」時代』で参考にした実体験などはありますか?

 A.本屋に入るとき、高齢者は入り口のど真ん中を通り、私が横をすり抜けようとするとキレられたり、ファミレスで高齢者が大声で喋っていて、同席していた中年の女性が声のトーンを落とすようにと再三言っていたことが離れていてもわかったのに大声で喋り続けていたり、朝の出勤時間に電車をただ乗りして運賃を払わなく、運転手が注意しているのに、知らんぷりで降りていくところを見かけたり。高齢者は割と色々なところで横暴・傲慢な素振りを見せているのかもしれませんね…。


 Q.『「若者奴隷」時代』のテーマは“世代間格差”ですが、山野先生は自身の世代をどう見ていますか?

 A.私は団塊ジュニア世代です。就職氷河期の一番上に位置します。私もかつて就職には相当苦労したことがあります。小さい頃はロボットアニメを見て育ちました(笑)。団塊ジュニア世代は人口が多いんで、この世代に向けた文化が多いんです。今も商売をやる時はこの世代をターゲットにしたものは多く、消費のターゲットにされてしまいます。それらを追いかけなければ世に中についていけなくなってしまうのですが、僕は疲れていて、正直何も追いかけたくはないです。非常に面倒くさい世代です。そう自分の世代を認識しています。


 Q.では、今の若者をどう見ていますか?

 A.しょうがないことではありますが、行動力が少ないように思います。私たちの団塊ジュニア世代もそんなに行動力がある世代ではないのですが…。それに今の若い人は「嫌消費世代」だと言われています。「車買うなんてバカじゃないの」という認識がありますよね。本当は欲しいのかもしれないのですが、経済的に厳しいんでしょうね。


 Q.「嫌韓流」の頃から厳しいマスコミ批判をされていますね。

 A.ネットで少し新聞の報道を見る程度で、特にテレビはまったく見ていないです。実は今年に入ってからテレビのスイッチをつけてないんです。マスコミに特にのぞむことなんてないんですよ。まあ中立公平な視点で報じてくれればってくらいです。ただ、外国人参政権の問題とかは大事なことなのでもっと大きく取り上げて欲しいとは思いますけど。


 Q.テレビは見ないということですが、映画などは見ないのですか?

 A. 私、映画は全然見ないんです。マンガ家で私ほど映画を見ない人も珍しいと思いますけど。編集の人とかは「映画を見て勉強しなさい」と言いますが、私はそれに反発していました。最後に見た映画が3年前くらいの「トランスフォーマー」ですから。


 Q.最後に、ズバリ日本の将来は明るいと思いますか?

 A.言いにくいんですけど…。明るいと思える要素が何もないんです。だからなんとかしなければいけないと思うんです。希望がなさすぎます…。変えなければいけないってことは誰でもわかっているはずなんですが、既得権が強すぎてどうにも変らないんです。そこをぶっ壊さなければいけないんです。どうやれば壊せるかを考えていかなければならないと思います。だから、失敗を恐れずにバッシングを恐れずに、新しいことをやっていきたいですね。(了)


『「若者奴隷」時代』(晋遊舎)の読者プレゼントはこちら 
http://npn.co.jp/present/detail/1116687/

話題沸騰の問題作『「若者奴隷」時代』 の著者、山野車輪氏にインタビュー(前編)
http://npn.co.jp/article/detail/13773662/

関連記事


社会→

 

特集

関連ニュース

ピックアップ

新着ニュース→

もっと見る→

社会→

もっと見る→

注目タグ