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安倍政権投資バブル 息を吹き返すサラ金地獄 〜国民は借金漬にされる〜(2)

 こうした中、超党派の議員が集う改正貸金業法に関する勉強会で、上限金利の引き上げや総量規制の見直しなどが議題に上がるようになった。
 「早速、市場の一部から消費者金融(サラ金)が復活するのではという期待感が高まりました。そこに安倍政権が金融緩和策を持ち出したから、サラ金屋の資金調達が楽になるという見通しが成り立った。それに民主党政権下で施行された中小企業金融円滑化法の期限が3月で切れることから、新たな救済処置が必要とされるなど、サラ金に追い風が吹きそうな環境が整った。安倍政権は、規制緩和の一環として改正貸金業法を改め、年収の3分の1までしか融資してはいけないとした総量規制ルールの撤廃などを打ち出す可能性まで出てきました。そのため市場では、サラ金・信販業界の評価が上がっているのです」(株式ストラテジスト)

 それを裏付けるように、今年に入ってサラ金大手3社の一つ、アイフル株が急騰しストップ高となった。同社は私的整理を成し遂げたと主張するが、過去の問題からいまだに決算短信に経営継続の“重要事象等の概要”を明記し、投資家の注意を喚起させることが義務付けられている。要するに投資不適格者だ。それがストップ高を記録するのだから、改正貸金業法再改正に期待する向きがあるという証拠だろう。
 「確かにヤミ金問題は、犯罪行為だから取り締まらなければならない。しかし、ヤミ金がなくならないからといって、サラ金の高金利を認めよというのは本末転倒。仮に、自民党案のような年利30%が復活した場合、社会的弱者が“健全サラ金”から借りたとしても返せる見込みなどありませんよ」(前出・ジャーナリスト)

 そもそもサラ金が、3万円や5万円の貸し付けを想定して商売するとは思えない。だいたいそんな少額融資では、人件費も捻出できないことくらいわかりそうなものだ。
 「米国の大手金融機関が参加するロビー団体などは、前与党だったころの自民党の上限金利引き下げ案の反対に動いていました。理由は、日本の消費者金融業界が米国金融界のドル箱にもなっていたからです。今回、自民党が金利の引き上げや総量規制撤廃に動けば、米国の金融機関やアコム、プロミスらメガバンク傘下となった“財閥系サラ金”の高笑いが聞こえてくることでしょう」(前出・ストラテジスト)

 ファイナンシャルプランナーの宮田裕子氏は、「60歳以上の高齢者の多重債務人口が増えているという時代背景を、よく精査しなければならない」として、次のような指摘をする。
 「長引く不況によるリストラや、終身雇用・退職金制度の崩壊などにより、借金を抱えたまま定年や65歳を迎え、年金生活を送る人が増える傾向にあります。低額年金生活者は、大きな病気や事故に遭えば生活は一挙に破綻する。こうした貧困層に対するセーフティーネットを築かなければ、何も解決されません」

 『悪の易きや火の原を燎くが如し』−−悪事がはびこりやすいことは、野火が草原に燃え広がるようなもので、防ぎようがないという意味のことわざである。
 「アベノミクス」は公共事業、大胆な金融緩和、成長戦略の“3本の矢”によって、日本経済をデフレから脱却させるという魔法のような経済政策だ。しかし、これが“悪事”であった場合、浮かれてしまった国民は、もはや茫然と立ちつくすのみ。国債の増発で借金は膨らみ、無制限の金融緩和でインフレが進行する上、給料が上がる保証はないという、まさに悲惨な結果も覚悟しなければならない。

 そんな中、我々に対してはどんどんカネを使うように、サラ金から借りてでもバンバン使うように、ちゃんと法律を整えようというのだから恐ろしい…。
 安倍政権には、経済再生うんぬんの前に、まっとうな社会をつくり上げる努力をするよう強く望みたい。

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