search
とじる
トップ > 社会 > 男と女の官能事件簿 同棲相手を殺害し頭部を切断した歯科助手の女性(3)

男と女の官能事件簿 同棲相手を殺害し頭部を切断した歯科助手の女性(3)

 同棲生活を始めた奥田と芳美だったが、当初から不安な要素をはらんでいた。

 当時、定職がなかった奥田さんは、フリーターとして小遣い程度の稼ぎしかなく、生活費はすべて芳美が負担していた。そのため芳美は、昼は歯科助手として働き、夜はキャバクラに勤めるというダブルワークで奥田さんとの同棲生活を支えていた。
 芳美が身を粉にして働く姿を見ていながら、奥田さんはいっこうに定職にはつこうはとしなかった。それどころか、趣味であるサーフィンには頻繁に出かけ、たびたび芳美にカネをせびるという始末だった。そのほかにも、遊び好きだった奥田さんは何かと金遣いが荒く、その支払いはほとんど芳美が出していた。

 そんな生活に、芳美も奥田さんに黙って従っていた。しかし、つい愚痴のひとつも出てしまうこともある。すると、奥田さんは逆上し、形相を変えて彼女を怒鳴りつけていた。
 「俺のやることに文句をつけるな!」
 「てめぇ、俺と別れたいのか!」
 奥田さんは怒鳴りながら、芳美の顔を殴りつけた。テーブルにあったコップを壁に投げつけ、割れて破片が飛び散る。
 「やめて!」
 芳美が泣き叫んでも、奥田さんは暴力をふるい続けた。
 そんなことが、日増しに多くなっていった。ヒモ同然の男と、昼夜働いて貢ぎ続ける女性。しかも、些細なことで暴力を振るわれる。そんな生活に、芳美は日に日に心身ともに疲労し、同棲相手への憎しみが募っていったのかもしれない。

 しかし、2006年になって奥田さんは厚木の空調会社に就職した。そして、事件の起きる直前には、知人たちに「俺、近いうちに彼女と入籍して、ちゃんと結婚するつもりだ」と話していたという。
 しかし、すでに芳美の心は奥田さんから完全に離れていた。
 4月26日頃、芳美は新品の包丁を購入した。その目的は、すでに決めていた。そして、4月30日の早朝、眠っていた奥田さんの首に、芳美は真新しい包丁の先を思い切り突き刺した。さらに、胸や腹などにも、何度も繰り返し包丁で刺した。
 その後、奥田さんの遺体を捨てるためバラバラにしようとしたが、頭部を切り離しただけで芳美は逃走した。
 その後、自殺も考えてさまよったものの死にきれなかった。逮捕時、芳美は心身ともに憔悴しきっていたという。(了)

関連記事


社会→

 

特集

関連ニュース

ピックアップ

新着ニュース→

もっと見る→

社会→

もっと見る→

注目タグ