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西田隆維のマラソン見聞録 第17話「第88回東京箱根間往復大学駅伝競走予選会」

 10月15日、東京・立川にある昭和記念公園で『第88回東京箱根間往復大学駅伝競走予選会』が曇天の中、開催。参加40校がそれぞれの思いを胸に戦いに臨んだ。

 僕は、メーンパーソナリティを務めている『週刊西田隆維』の放送局が立川(FMたちかわ)にある事から当日は朝からレポーターとして昭和記念公園入り。予選会の模様を『FMたちかわ』の番組内でレポートした。
 僕自身、前回の当連載で伝えたが、箱根の予選会は大学1年時に一度経験しただけ。その後は今回のように予選会を注視した事が無く、今回の大会はある種、衝撃的であった。
 というのも、僕が経験した当時よりも遥かに大会の質(レベル)が上がっている。20キロを10人の平均が62分以内でないと、本戦への切符を手にする事が出来ない。僕の大学生時代よりもキチンとした指導力(選手目線で語れば調整力になるが)が無いと予選突破は不可能という訳だ。

 さらに驚いた事は、僕が予選会直前にかつての仲間(は何人か大学の監督になっている)から取材した情報といざ、大会の結果が異なっていた、という点だ。大会結果は後述するが、情報と結果が異なるという事は、大会全体のレベルがアップしており、尚且つ各学校の力も拮抗しているという事なのだ。
 事前情報だと日本大は当確でそれに続くのが上武大、帝京大、城西大…と聞いていた。逆に危ぶまれていたのが、山梨学院大、順天堂大…だが、蓋を開けてみれば、どうしてどうして。順当なのは上武大だけ(優勝)で、後は良くも悪くもイレギュラーな結果と終わった。

 個人記録にしても驚かされた。優勝は山梨学院大のO・コスマスで、まあこれは予定通り。問題は2位以下で上位10傑中、予選突破が出来なかった日大勢が何と3人(佐藤佑輔、G・ベンジャミン、田村優宝)も登場。同じく予選落ちした亜細亜大の宮川尚人も5位にランクするなど、実にベスト10人中4人が予選落ちした学校の選手であった。特に3人がベスト10入りした日大は総合11位…これは一体、どういう事なのかと思いたくなる結果だ。
 ちなみに個人成績上位10傑中、同じ学校から2人以上、選ばれたのは上武大の9位氏原健介、10位佐藤舜だけ。総合2位の山梨学院大はコスマスが前述の通り優勝。しかし後は続かなかった。同様に総合3位の国士舘大学、総合8位の中央学院大、総合6位の帝京大がそれぞれ1人ランクさせるのが精一杯という結末であった。

 こうなると、僕は本戦の学連選抜チームのメンバーに興味が沸く。予選会ベスト10に入った4人は当然、メンバー入りするだろう。特殊区間の5区、6区は捨てたとしても、残りの8区間にこの4人が登場するとなると、他大学にとっては相当な脅威になる事、必至である。
 日大の佐藤は予選会日本人トップの2位。この男を本戦のエース区間起用するのか−−はたまた、予選会では終盤失速したものも、自力があるベンジャミン(日大)を起用するのか−−。亜大の宮川は復路で起用するのか、それとも往路で起用し、前半(往路)で勝負を賭けるのか−−。確か、学連選抜チームの(箱根駅伝での)最高順位は4位であったと思う。今年はそれを上回る力が集まりそうなので、本戦(箱根駅伝)はこの選抜チームを中心に観戦したい。

 さて、予選会の総括はその辺にして、今度は「レポーター西田」を総括したい。いや、『週刊西田隆維』は本当に自由にやらせてもらっている、としみじみ思った。予選会は原稿があったのだが、これをレポートするのは至難の業であった。『FMたちかわ』のアナウンス部長・三谷啓子さんからは「一部、注意点はあるが全体的には合格点を与えられる」と言われたが、どうもアヤシイ。本当にそう思っているのだろうが…。
 それにしても『週刊西田隆維』を支えてくれているみなさんに、改めて自由に番組をやらせて頂いている事を感謝します。
 その事を事務所社長に伝えたら「今頃、分かったのか、このタコが!」と、こっ酷く怒られたのは言うまでもない…。

《予選会成績・学校》(1)上武大10時間12分8秒(2)山梨学院大10時間12分43秒(3)国士舘大10時間13分38秒(4)東京農業大10時間13分58秒(5)神奈川大10時間14分3秒(6)帝京大10時間14分18秒(7)城西大10時間13分55秒(差し引きタイム2分45秒)(8)中央学院大10時間15分22秒(差し引きタイム45秒)(9)順天堂大10時間16分14秒(差し引きタイム3分25秒)…以下予選落ち(10)法政大(11)日本大(12)専修大(13)亜細亜大(14)大東文化大

《予選会成績・個人》(1)O・コスマス(山学大)59分26秒(2)佐藤佑輔(日大)59分28秒(3)伊藤正樹(国士大)1時間0分4秒(4)G・ベンジャミン(日大)1時間0分15秒(5)宮川尚人(亜大)1時間0分16秒(6)藤井啓介(中学大)1時間0分16秒(7)田村優宝(日大)1時間0分21秒(8)蛯名聡勝(帝京大)1時間0分26秒(9)氏原健介(上武大)1時間0分28秒(10)佐藤舜(上武大)1時間0分31秒

<プロフィール>
西田隆維【にしだ りゅうい】1977年4月26日生 180センチ 60.5キロ
陸上長距離選手として駒澤大→エスビー食品→JALグランドサービスで活躍。駒大時代は4年連続「箱根駅伝」に出場、4年時の00年には9区で区間新を樹立。駒大初優勝に大きく貢献する。01年、別府大分毎日マラソンで優勝、同年開催された『エドモントン世界陸上』日本代表に選出される(結果は9位)。09年2月、現役を引退、俳優に転向する。9月3日スタートのラジオ番組「週刊 西田隆維(りゅうい)」(FMたちかわ)のメーンパーソナリティ。

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