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寺原のFA帰還は計算済み? オリックスが『人的補償』要求でホークスは戦々恐々

 本当の駆け引きは「これから」だった。オリックスバファローズが先発ローテーションの一角、寺原隼人(29)を喪失したのは11月23日だった。同日はベテラン・日高剛捕手(35)が阪神入りを正式表明している。「本人たちの意思が固かった。仕方ない…」と村山良雄・球団本部長は肩を落としたが、年の瀬が迫るにあたって、「オリックスの強かさ」を感じる声も強くなってきた。
 「寺原が『故障者特例措置』で(国内)FA権を取得するのは分かっていたこと。シーズン中盤以降、(フロントは)意見交換レベルで話をしており、この時点で慰留交渉は難しいと判断していました」(プロ野球解説者の1人)

 今でこそだが、寺原の『ホークス愛』と『九州への帰郷願望』はオリックス入りした昨季から持っていたのではないだろうか。
 昨季、寺原は初のオールスター戦出場を果たしている。『プロ10年目』(当時)での初出場と言うと「遠回りをした感」は否めないが、
 「見渡せば、ファースト小久保さん、セカンド本多、ショート宗(川)、サード松田…みんなソフトバンクやしね!」
 と、自身のオフィシャルブログでその感想を述べている。古巣を懐かしむ思いはファンも感じていたわけだから、オリックスフロントも当然、気付いていたはずだ。

 「寺原に対し、阪神も興味を示しているとの情報も交錯していましたが、移籍先がソフトバンクとなれば、話は別です。戦略を二重、三重に立てられる」(前出・同)
 ソフトバンクは人材の宝庫だ。選手層の厚いソフトバンクは「28人のプロテクト枠」では有力選手をガードしきれない…。
 現在の国内FAに関する補償だが、FA権行使で戦力を喪失する側の球団は金銭か人的補償のいずれかを主張できる。オリックスは「寺原の慰留失敗」を前提に、人的補償を期待していたような節も見受けられる。

 寺原がソフトバンクと交渉に入った直後から、関西メディアは昨年、ソフトバンクがFAで帆足和幸投手を獲得した際、前在籍チームの埼玉西武に『獲得可能選手のリスト』を提出。両球団の関係者談として、ベテランの松中信彦がプロテクト漏れしていたのは当時も伝えられたが、そのことを改めて報じられている。ホークスで長くコーチを務めた森脇浩司・新監督の「小久保、松中は本当によく練習する」なる談話は、寺原獲得を狙うソフトバンク側への牽制となり、また同時に、「オリックスは寺原流出を前提に人的補償のシミュレーションをすでに始めている」との印象を受けたプロ野球関係者も少なくなかった。
 「名簿を提出する側も一苦労ですよ。第一、28人までしかプロテクトできないので、相手球団がどんなタイプ、どのポジションを守れる選手を欲しているのかなどを調べ、主力選手の中からその標的外と思われるタイプをプロテクトから外します。前年、松中がプロテクトから外れたというのは、高額年俸選手だから『手を出しづらい』と読んだからでしょう」(前出・同)

 ソフトバンクには出場機会を待っている有能な若手も多い。オリックス側に28人のプロテクト選手を除いた『獲得可能な選手リスト』が届けられたのは、12月12日。ルール上、その内容は公表できないことになっているが、オリックスは昨年オフ、韓国の主砲・李大浩(30)を獲得したように、『大型補強』を行う資金力は持っている。「高額年俸でも躊躇しない」といった関係者の声も出ていただけに、ビッグネームの一本釣りを狙ってくるかもしれない。
 人的補償の回答期限は1月13日だ。寺原のFAは『パの勢力分布図』を変えてしまうかもしれない。

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