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西田隆維の映画今昔物語 第27幕『メノット』

 <今日のテーマ>作品に深みと意味を持たせるロケーション

 皆さんは映画やドラマを観ていて「この場所、きれい。行ってみたい」とか「こんな場所もあるんだ」って、景色の視覚に癒されたことありますよね。今回はそんな景色の海辺にある別荘でのお話です。

 作品の内容は、名家・西徳寺家の美人姉妹の久美(国分佐智子)と香織(藤本綾)は毎年夏になると別荘暮らしをしていました。夏の別荘暮らしを楽しみにしている香織でしたが、別荘に到着してみると、そこには姉のほかに別荘を修理している男2人、高塚(金子昇)と友井(魚谷輝明)がいました。そんな状況に香織は違和感と嫌悪感を持ちます。ところが、なぜか香織は高塚の不思議な魅力に興味を持ち始め、次第にそれは愛情へと変化していくことになります。ちなみに久美には俊彦(甲本雅裕)という夫、香織には津山(阿部進之介)という婚約者がいます。

 ある日、香織は久美がカメラマンでもある高塚に全裸写真を撮ってもらい、さらには関係を持つところを目撃してしまうのです。幼い頃から香織は、いつも久美に大切な物を取られていたので、高塚に対する強い気持ちが高鳴り、遂には引けなくなってしまったのです。

 一方、久美は香織の初体験の相手が自分の夫ではないかと内心疑っています。そして、この2人の感情がぶつかってしまいます。
 ところが、ヌード写真を撮った久美には事情があったのです。それは自身の胸にシコリがあり乳がんの可能性があるため写真を残しておきたいという事情でした…。ここから話の展開はどんどん進みます。

 題名の「メノット」はフランス語で「手錠」を意味します。なぜ手錠なのか…高塚という人物、姉妹と父との関係、そして久美の夫・俊彦、それぞれの設定は殺人犯、俗にいう「変態」です。またこの姉妹の本性も…。

 この映画、すごく雰囲気のいい海が観られ、それが映画に彩りと深みを持たせていました。私はそこに晩夏の海、とくに夕方から夜へと時が流れるいく涼しい風の海を感じました。
 作品に合わせたロケーションがきちんとできている映画だと思えました。個人的ですが、今年の夏は海に行けそうにないので、この風景で海を堪能しました。

<作品プロフィール>
監督/及川中 撮影/西村聡仁

出演/藤本綾 国分佐智子 金子昇 阿部進之介 魚谷輝明 甲本雅裕

写真:グラドルだった藤本綾の引退作品。オールヌードのセクシーシーンが話題となった。

<プロフィール>
 西田隆維【にしだ たかゆき】1977年4月26日生 180センチ 60.5キロ
 陸上超距離選手として駒澤大→エスビー食品→JALグランドサービスで活躍。駒大時代は4年連続「箱根駅伝」に出場、4年時の00年には9区で区間新を樹立。駒大初優勝に大きく貢献する。01年、別府大分毎日マラソンで優勝、同年開催された『エドモントン世界陸上』日本代表に選出される(結果は9位)。
 09年2月、現役を引退、俳優に転向する。10年5月、舞台『夢二』(もじろう役)でデビュー。ランニングチーム『Air Run Tokyo』のコーチも務めている。

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