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長嶋茂雄ドリームプロジェクト消滅危機の裏側

 新春の恒例行事だった『長嶋茂雄ドリームプロジェクト』が、消滅する危機に直面している。04年のアテネ五輪の長嶋ジャパンメンバーが、「野球の伝道師になって、野球の素晴らしさを後輩たちに伝えていって欲しい」という長嶋茂雄元監督の思いを受け継ぎ、少年少女ファン相手に野球教室などを開く新春イベントが、なぜ中止に追い込まれようとしているのか。内幕を暴く。

 現在は沈静化しているが、昨年一時期、週刊誌を大騒ぎさせた長嶋茂雄氏と長男の長嶋一茂氏の確執。一茂氏が長嶋氏の記念のトロフィーなどを売りに出したことまで暴露され、一時期は泥沼化した。今回の問題は、そんな抜き差しならぬ父子の冷戦抜きには語れないだろう。
 そもそも両者の間が険悪になったのは、本来、長嶋氏の個人事務所の『オフィスエヌ』が扱うべき仕事に関してまで、一茂氏の個人事務所の『長嶋企画』が口を挟んできたことが発端だ。
 長嶋氏が脳梗塞で倒れ、リハビリに励んでいるという最中、長嶋氏と古くから付き合いのある関係者との間の仕事にまで一茂氏が「ギャラが安すぎる。おかしい」などと、過去にさかのぼってまで文句をつけたりしたことから、騒動が持ち上がっている。

 当初は長嶋氏が病気療養中とあって、関係者たちも健康状態を考え、我慢して黙っていたが、度重なる『長嶋企画』側のクレームに堪忍袋の緒を切ったのだ。長嶋氏に対し、一茂氏側からの横やりという事実を伝えたことで、真相を知った長嶋氏が激怒。一気に父子の関係は緊張状態に突入している。一時期は両者が法廷闘争に入る準備まで進めていたほどだ。
 「今後、長嶋茂雄に関する仕事はすべて『オフィスエヌ』が担当します。『長嶋企画』はいっさい関係ありません」。長嶋茂雄氏の名前で関係者に対し、文書で通達が出されたこともある。そんな中で『長嶋茂雄ドリームプロジェクト』だけは、特例として一茂氏が担当することを許されていた。

 長嶋氏が病床の最中に立ち上げられたイベントで、長嶋ジャパンの主将だったヤクルト・宮本慎也ら日本代表選手たちが、長嶋氏の思いを受け継いで全面協力しているからだ。長嶋氏本人も健康状態を見ながら極力参加してきた。
 が、08年の北京五輪で星野ジャパンが誕生したことから、当初は『長嶋ジャパンドリームプロジェクト』だったのに、『ジャパン』が使えなくなり、現在の『長嶋茂雄ドリームプロジェクト』という名のイベントになっている。「もう十分に使命は果たしたし、やめてもいいころじゃないか」という声が、長嶋氏に近い球界関係者からあがっていた。
 もうひとつ大きな理由があるからだ。「長嶋さんの『オフィスエヌ』と一茂の『長嶋企画』との間の唯一のグレーゾーンの仕事が、『長嶋茂雄ドリームプロジェクト』だったからね。これでスッキリするんじゃないか」という、もっともな意見だ。
 ファンからすれば、新春に長嶋氏の元気な姿が見られるイベントがなくなったら残念だろうが、『オフィスエヌ』と『長嶋企画』の関係をハッキリさせるには、仕方ないだろう。一茂氏の自立を促すためにも、頃合いの良い幕引きかもしれない。

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