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青森山田高野球部員死亡訴訟で学校、上級生側は争う姿勢

 昨年12月、青森山田高校(青森市)野球部の寮で、1年の男子部員(当時16)が暴行を受けた後に死亡した事件で、大阪府に住む両親が同校を運営する青森山田学園と、暴行したとされる当時2年の上級生(18)=退学=らに計約8700万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が6月25日、大阪地裁(田中俊次裁判長)で開かれた。

 青森山田学園、上級生側はともに請求棄却を求め、争う姿勢を示した。

 訴状によると、上級生は昨年12月18日夜、寮の消灯時間後に同級生と焼き肉をした男子部員に腹を立て、顔や背中を殴るなどの暴行をはたらいた。男子部員は意識を失い病院に運ばれたものの、19日未明に死亡が確認された。

 両親側は上級生の暴行により、不整脈が生じて心臓が停止する「心臓振とう」が起きたと主張。寮には夜間いるはずの教諭が不在だったことや、自動体外式除細動器(AED)の設置がなかったことを指摘し、「寮の体制が不十分で未然に暴行を防止できず、救命措置に対応するための準備も怠った」として、「死亡したのは暴行や学校の管理体制の不備が原因」と主張している。

 青森県警は今年1月、死因不特定のまま、上級生を暴行容疑で青森地検に書類送検。上級生は2月に自主退学した。両親は4月9日、上級生を傷害致死容疑で同地検に告訴した。

 同校野球部は春夏合わせて計11回、甲子園大会に出場している強豪校。昨秋の東北大会で4強入りし、県高野連は同校を春のセンバツ大会の推薦校に選んでいたが、この事件で、同校は推薦を辞退。練習も4月中旬まで自粛した。監督も解任され、部長も辞任した。ただ、夏の甲子園大会では、県高野連が「現段階で大会参加を拒む材料はない」として、予選出場を認めた。
(蔵元英二)

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