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夜這い伝説

 夜這いに興味のある向きは多いだろう。夜這いとは? の答えとして、文化人類学的視座から定まった定義も出来る。すなわち、元々『若者組』と言われる青年会のようなものが各地にあり、そこには“秩序”が存在した。ただし、その秩序は実にまちまちで、新郎が婚前に新婦の味見を出来たり、中には、集団で山の上の神社に女の子を担いでいってそのまま…という“決まり”もあったりするのだが。
 そのうち、貨幣経済で買収宿が出来ると、夜這いは廃れていった。

 「現在70過ぎくらいの人が中心的な夜這い体験者ですかね。だいたい昭和33年(1858年)の売春防止法手前くらいまでですから」(某人類学者)

 戦争体験を語り継ぐ義務が私たちにあるのと同様、夜這い体験もおじいちゃんから聞き書きするなどして、ぜひ風化させたくないものだ。

 実際、70歳手前くらいの方から、体験者の方はいる。
 「まぐわい、の話か。職人なりたての頃、峠を越えて、よく集落の祭りに行ってまぐわったもんさ」(岐阜県郡上郡周辺の集落体験者談・当時70歳)
 と豪快に笑い飛ばした方などもいたのだ。これらの方が最後の体験者であるとともに、祭りの伝統が続いている地区もたくさんある、ということだってありそうだ。

 夜這い地区は、ちょっとした専門古書には無数に載っている。が、それらを紐解くまでもなく、もっと一般的な本や資料に当たっても他に、水俣地区周辺、愛知県額田郡某地区、高知県長岡郡某地区、などいくらでもある。もし機会がおありなら、古い習俗が残っているのかちょっと古老に聞いてみるのも、意義があるかもしれない。

 お祭りの日にお布団に入って、意中の人が来るのを待っておメメをウルウル、期待に胸をときめかせている少女を想像すると、可愛いらしい感じがする、とか言ったら怒られてしまうだろうか。

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