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ハイリスク&ハイリターン 「大谷強行指名」で日ハムのオフは大波瀾?

 北海道日本ハムファイターズが大谷翔平投手(花巻東=3年)の強行指名を表明した。大谷投手がメジャー挑戦を決めたのは既報通りであり、日本ハムは2年連続で1位指名選手が入団拒否という事態にもなりかねない。大博打に出たとも言えなくはないが、『強行指名』表明の目的は、160キロ右腕の獲得だけではないようだ。

 当然のことながら、今回の強行指名表明については、賛否両論がある。
 「ドラフト対象選手が米挑戦を決めたからと言って、指名を諦めてしまうのは良くない。本当に有望アマチュア選手の海外流出を阻止したいのなら、堂々と指名し、入団交渉に臨むべきです」(プロ野球解説者)
 「本当に欲しい選手を指名するのは当然のこと。しかし、現実問題として、指名しても入団してくれない選手に固執する必要はない。『特定球団にしか入らない』と公言する選手もいなくならないが、『12球団OK』と話す学生選手の方が圧倒的に多い。人材流出の懸案は12球団で話し合っていかなければならないが、ドラフト会場にまで持ち込むべきではない」(在阪球団職員)

 日ハムのスカウティングに関する情報だが、『大阪桐蔭の甲子園大会優勝祝勝会』(10月11日)を機に「藤浪(晋太郎投手=3年)に乗り換えた」との見方が支配的になった。同席上で明らかになったのは、日ハムが藤浪サイドに『調査書』を提出したこと。『調査書』とは平たく言えば、その選手に対して指名する意志がある旨を伝えるもの。「調査書提出は“慣例行事”にすぎない。指名を確約するものではない」と話すスカウトもいたが、
 「本当に大谷クンが欲しいのならば、日ハムさんは藤浪クンにまで調査書を出す必要はないでしょう?」(ライバル球団職員)
 と、強行指名と同時に日ハム側が話していた『熱意』に首を傾げる声も聞かれた。
 「いや、日ハムさんの大谷クンに対する誠意は本当だと思いますよ。2年連続で1位指名選手が入団しない可能性の方が高いのに、そのリスクを冒してまで指名するって言うんですから」(前出・在阪球団職員)

 また、こんな見方もされていた。
 「日ハムはダルビッシュをポスティングに掛け、彼の米挑戦にも協力しました。交渉の席で移籍(=米挑戦)を前提とした話はできませんが、日ハムはFA宣言する選手を引き止めませんし、大谷クンの側からすれば、もっともメジャー挑戦しやすい球団とも言えるんじゃないですか」(前出・プロ野球解説者)
 日ハムはリーグ優勝、シリーズ進出に成功したが、観客動員数は前年比6.6%のマイナスとなった。「前年の佑ちゃんフィーバーは異例」とし、185万人強を集客した安定感を評価すべきとの声も聞かれたが、大谷獲得を起爆剤にしたいとの営業戦略もあるのではないだろうか。

 「一昨年はドラフト直前で1位指名を斎藤佑樹に一転させ、菅野(智之)クンの強行指名を仕掛けたのも山田(正雄)GMです。今回もその山田GMが『大谷指名』を表明しました。不退転の決意、チームの方針をチーム内外に示したわけですが、斎藤は今季の半分を二軍で過ごしました。客観的に見れば、今回の強行指名はフロントを分裂させる可能性も秘めています」(関係者)
 強行指名の情報はメジャー球団にも伝わった。米国人ライターが駐日スカウトに確認した限りでは「日ハムが指名した場合は同時進行で、米球団も交渉に入る」そうだ。ドラフト指名後の独占交渉権は米国には適用されない。まさに、日米争奪戦である。

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